ANA国内線【PR】

イルカが愛を確かめにくる、青い海の底の日常生活

bigblue909.exblog.jp トップ

2012年5月劇場鑑賞映画

去年の映画ベスト、もうとっくに決まってるんだけど、映画館で映画観すぎでちっとも書けない(泣) でもまあ、これだけ観たいのがたくさんあるのは嬉しいねえ。でも最近星の数甘すぎるんじゃない? と自分で思う今日この頃。
そして今「悪の教典」を読み始めたとこなんだけど、映画化がまた「ヒミズ」のあのコンビじゃないの! 三池監督だし、絶対観に行こう。そんで染谷将太はWOWOWで現在放送中の「罪と罰」にも出てるんだけど、やっぱ良い。すごく面白い役者だ。

「ファミリー・ツリー」 ★★★☆
ハリウッドでハワイを舞台にした映画って、パールハーバーものを除いたら意外と少ない気がする。少なくとも私はエルヴィスの「ブルー・ハワイ」ぐらいしか思いつかない。ふ、ふるっ(笑) サーフィンものでさえ、カリフォルニアが舞台のものが圧倒的に多いし。だから人間ドラマとしては、私の中ではこれがお初だ。関係ないけど語学の勉強をしないで時間にもっと余裕があったら、ハワイアンキルトをやってみたいとずっと思っている。
冒頭でジョージ・クルーニーが「南国に住めば悩みが軽くなるとでも?」と言うとおり、暑いところよりは寒いところの方が俄然苦悩も思慮も深く見えるせいなのかもしれない。だからこの映画も、すごく軽快だ。会話が面白くて場内笑い声があがったし、私も何度も声を出して笑ってしまった。・・・でもまあ、それだけなんだよね、やっぱり。なぜだかハワイの景色と、あのからりとした風を思い出して、逆に心地良くなるくらいで。重いのだけが良いドラマじゃないけど、こちらまで迫るものはないというか。クルーニーは良い演技をしてたけど、こういう映画で男優賞は無理だろうなという。
あと最近、映画ならではのダイナミックさというのを求めてしまう。先日の「別離」みたいな濃密さを持ったものは別としても、劇場の大画面で観るならではのものを少しは提供してほしい。美しい風景以外にも。これはカウチポテト(完全死語)するには100点の映画だと思う。
それにしても、この映画の登場人物の一人が、見たことあるけど誰だっけって思い出せなくて気持ち悪かったんだけど、帰って早速調べたら、マシュー・リラードではないですか!! 一時期「スクリーム」や「13ゴースト」などのホラー系ティーン映画ばかり出て、でもどう見ても奇怪な容姿で「絶対犯人お前だろ、お前以外に誰がおんねん」とバレバレな人。名前がなかなか覚えられなくて、その見た目から「アホくん」と呼んでいた(爆笑)。でもあの奇怪さが薄れて、普通のハンサム中年になってた。キャリアも鳴かず飛ばずらしい。頑張ってね、アホくん。



「別離」 ★★★★★
去年NHKbsでアジア映画フェスティバルと題し、アジア各国の映画10本を放送してて、全部とはいかなかったけどほとんどを観た。そして数ヶ月前にWOWOWでこの「別離」のアスガー・ファルハディ監督の前作「彼女の消えた浜辺」も観たんだけど、中東の映画がなんだか最近熱いようで。もちろん日本に入ってくる段階でかなりふるいにかけられてるだろうけど、面白いんですよこれが。
私達のイメージからすれば、「貧しいんだろうな」というのが真っ先に出てくると思う。けど映画の中の人達はヴィトンのバッグを持ち、同じようにジーンズを穿き、髪は布で隠してるけど、それぞれ布の素材や巻き方で、むしろお洒落のひとつに見える。だけどまあ、こんなこと書いても「じゃあそれイラン映画? イラク映画?」って訊かれても即答できないんだけどw(答:イラン映画)
ねたばれ→みんなが誰かや自分を守るために小さな嘘をつく。幼い子供まで、親をかばって嘘をつくのがこれまた。そんなのは日常茶飯事なことだとは思うけど、胎児が死んだという事件の前ではその小さな嘘は命取りになっていく。少しずつ少しずつ、観てる方もむずがゆくなってくるような感覚は、前作「彼女が~」と同じだ。でも唯一人、嘘はついてないけど伝聞だけで状況判断をし、自分の都合の良い方に事を大きくするあの妊婦の夫、あいつが映る度に「もう出ないで」と顔を手で覆いたくなったなあ。ああいう人が一番イヤだなあ。
近代化したようでも、劇中「介護で男性に触っても良いか」と宗教相談室??に電話をかけるあたり、やっぱり不思議で面白かったりする。そして結局は「コーランに手を置いて誓えるか」という問いに背けなかった元妊婦の信心深さや、業が子供に及ぶという、私たちから見たら多少迷信とも思える部分も、母の愛なのか。だけど親の愛だかエゴだかが結局子供を不幸にする辺り、どこの国も同じだと思う。最後の話し合いで子供同士がじっと見つめあうシーンは印象的だったし、ポロポロと涙を流しながら進退を選ばなければならない娘には胸が痛んだ。最初は小さな綻びだったのに、どこかで狂っちゃった、というのが世の習いなのだなと、殺伐としたエンドロールを久しぶりに最後まで見守った。

なんであれ、この監督さんの映画は今後ももっと観たい。
10数年前に、近くて遠い国韓国の映画がいきなり封切られるようになって、それまで知らなかった隣国のいろいろが面白かったように、もはや日本人には「これからは中東だ!」ぐらいしか残ってないのかもね。
そんで最後は北朝鮮



「裏切りのサーカス」 ★★★
派手なアクションシーンのないスパイ映画、ゲイリー・オールドマンがアカデミー主演男優賞ノミネートということで観に行ってみた。公式ホームページに「鑑賞前にお読みください」という飛び出しが出てきて、きちんと読んで頭に入れたつもりだったけど、やっぱりかなり難解で、私にはよくわからなかった。帰ってきてネットであらすじを読んだけど、それでもわからなかった(笑)
そして詳しい方というのはいるもので、こちらで解説していらっしゃいます↓ 途中までですが。
裏切りのサーカス ねたばれ
なのでまあ、わかんないくせに星とかつけんなって感じだけど、一応映画的にそりゃあかんやろというのがありまして。それに関して星3つ。ねたばれ→この手の誰が犯人か、裏切り者かという映画の宿命だけど、あれを観てたらコリン・ファースだろうというのは容易に想像がつくよねえ? ビッグネーム&推定ギャラ(笑)、それに反しての出番の少なさときたら、最後に絶対この人の見所ありなんでしょ? となるわけで。だからと言ってそんなに大物でもない俳優にやらせても誰やねん! となってしまうし、その辺り難しいなと思う。
まあ、内容が理解できてる人や原作既読者などはそんなのだけが焦点じゃないよとなるんでしょうけど、今回はそれさえもできなかった、ということで・・・。

それにしても、Wikipediaのゲイリー・オールドマンのとこを読んだら、ユマ・サーマンと結婚してた時期があったんだよねえ、そうだそうだよ!ってなんかビックリ。そういうキャリア以外のことって記憶から消え去ることが多くて、この前もジェニファー・ロペスとベン・○フレックが付き合ってたことを何かで読んで。ベニファーとか言われてたのを思い出して笑っちゃったw


「捜査官X」 ★★★☆
久々の金城武出演作、しかもドニー・イェン、タン・ウェイ、ピーター・チャン監督ときたらそりゃ見たいがな!と思ったものの、予告を観てもピンと来ず。ドニーが出ているのに金田一系のような年代物の割に猟奇的だし、一体どんな映画なのか全く掴めず。だけどこの面子が揃ってたら絶対なにか起こるよね? と半信半疑、ババを引く可能性におびえつつ観に行ってみた。
いやー面白かったですわ。これは、見せすぎなかった予告に感謝しなくては。見せすぎないことで客足は減るかもしれないけどそんなこと知らん。マトリックスみたいに良いとこ全部予告でやってたね・・・みたいな薄ら淋しさが残らないのが劇場で観る醍醐味だもの。
それにしてもいつも思うけど、ドニー・イェンてサッカー日本代表の長谷部誠と似てるよね?
ねたばれ→金城くんの妄想的推理も、逆に訴えられてもおかしくない無茶苦茶な捜査もユニークだったし、一見大したことはしてなさそうなのによく見るとすごい速さのドニーの動きもさすが。中国武侠映画のお約束、ワイヤーアクションも屋根走りも水落ちも、不自然に見えない範囲でされてるのが、本来カンフー畑ではないピーター・チャン監督が撮ったならではだと思う。
世間的にはラストの雷でボスキャラが死ぬのに拍子抜けしたという意見が多いようだけど、金城くんの針で死んだなんてヒーローものにされるよりはよほど良いのでは。

なんだか異業種格闘技のような映画だったけど、とにかく「レッド・クリフ」以来金城くんを見れて満足。インタビューで「中国が一番マーケットが大きいから中国映画に出る機会が多いのか」と訊かれて「そうかもしれない。けど日本映画は結局黒澤明以来名の売れた監督がいないのが問題」と言ってたけど、ホントそう思う。中国や韓国に、どんどん置いていかれてるなあ。
# by bigblue909 | 2012-05-19 10:56 | 映画 | Trackback | Comments(2)

劇団☆新感線「シレンとラギ」

今まで何度も行きたいと思いつつチケットが外れたりなんだりだった、超人気劇団☆新感線の舞台。今回は大阪公演も期間が長く公演数も多いので、すんなりチケットが取れた。もちろん藤原竜也目当て。他にも永作博美、古田新太という三枚看板に、脇を固めるのは高橋克実、北村有起哉などなど、本当に豪華。だからこそチケットのお値段もとってもゴージャスで(泣)

何気に私、藤原くんも永作も3回目なのね。二人ともやっぱりうまいし、今回衣装がすごく綺麗で何度も衣装替えがあって、いやー本当に目を楽しませてもらった。お話しは→親殺しと近親相姦←というコッテコテの古典だし、→藤原くんが教祖になる←という展開も、なんだか今までも何度も観てきた役どころで、イメージが固まってしまうのはしょうがないものの、やっぱり藤原くんてどうしてもこの手の役が多くて、観にいくとあんまりスッキリと「面白かったー!」と言えるものが少なくて、それがいつもネックなのよねえ・・・。
そしてそういう方向なのを慮ってかこの劇団のお家芸(?)なのか、やたらとギャグシーンを挟むのですよ。私、この手のドタバタが苦手で(汗) ほとんどが下ネタだし、古田新太はWOWOWの「勝新(KATSUARA)」の方がよっぽど面白いよ。私的に笑いって真剣なものから生まれるものだと思ってるんだけど、ギャグの上に真剣を重ねるので、笑いを逃すとその後のドラマも乗れないままになってしまって・・・。まあ、いつもの如く大抵の人はキャッキャ喜んで笑ってたので私のツボの問題なんだけど、毎回あれをやるんだとしたら、私はもう行かないかもなあと、残念ながら思ってしまったな。

そんな残尿感を残しつつ、今月末は野田地図の「THE BEE」のチケットを取ってある。こちらは席も結構良いので楽しみ。そして佐渡さんが映画「ウエストサイド・ストーリー」に合わせてタクトを振る企画、行く気満々だったのに、大阪公演が1日きりだからなのか、東京よりもはるかに高いのを知ってテンションだだ下がり。生身の人間が演じる佐渡さんのオペラより高いなんて。映画に出す金額じゃないなということで、残念ながら見送る方向。
そんでその代わり、シレンとラギを観に行った時にもらったチラシで、松尾スズキの「ふくすけ」というのがあって、こちらに興味津々。古田新太、大竹しのぶ、安部サダヲ、多部未華子という曲者揃い。チケット争奪戦になるかもしれないけどチャレンジしてみる。それにしてもそのWOWOWの「勝新」の中で古田新太が大竹しのぶの悪口を(多分本気で)何回も言ってたのはこれだったのか。大丈夫なのか? そんなこと言って(笑)
Tags:# 
# by bigblue909 | 2012-05-07 17:32 | エンタメ | Trackback | Comments(0)

2012年4月劇場鑑賞映画

WOWOWで「オペラ座の怪人」25周年記念ロンドン公演の放送があったのね。すんごいわね。私は12年前に観に行ったけど、時差ぼけと疲れと英語で話がわからずで所々寝ちゃったんだよね。でもすごかった、というのは記憶に焼きついてるんだけど、こうやって家でゆっくり観てみると、やっぱりこの話ってどう考えても、The Phaaaaaaaaaaaaaantom of the Opera is there♪ と歌う始まったばかりの辺りが一番のハイライトで、次が中盤の「マスカレード」で、クライマックスの3人の痴話喧嘩はイライラして面白くない。私だけ?
この25周年、最後はアンドリュー・ロイド・ウェバーが登場し、歴代の出演者が出てきて歌ってすごく豪華なんだけど、初代クリスティーヌのサラ・ブライトマン、うまいけどさあ、一人だけ間をたっぷりためたりゴインゴイン音を伸ばしたり、他の共演者と合わせる意思が全然感じられなくてなんか感じ悪かった。有名になるとやっぱあんなになっちゃうんだろうか。
なんにしても一応DVDに落としておいた。いつかまたロンドンで観たい。そして今月は映画が当たり続きでうれしい。どうぞ↓

ブエノスアイレス ★★★★★+α
日本国内の版権が切れるらしく、神戸のマニア劇場・元町映画館で、日本最後の劇場公開ということで行って来ました。まあ、また版権を買えば見れるわけだけど。
「ブエノスアイレス」を初めて観て衝撃を受けたのは10年ちょい前。その少し後に大阪の小さな劇場で香港映画特集をやってて、カーウァイ作品にどっぷり浸かりつつも映画館で観たことがなかった私はホクホクで観に行った。確かその日は「ブエノスアイレス」→「恋する惑星」→「花様年華」という順番で、2本目からは半券を見せれば安くなるシステムだった。1本終わるごとに「次の」と言って券を買い、ロビーで事前に買い込んだおにぎりやら何やらを食べてたら、係員が「すごいね、よっぽど好きなんだね」とひそひそ言ってた。オタクぶりが認められたみたいでちょっと嬉しかった(笑)
今回も、フィルムなんかノイズだらけで年季が伺えるんだけど、ウォン・カーウァイの映画ってそんなのが良いんだとしみじみ思う。「2046」はキムタク効果で、「マイ・ブルーベリー・ナイツ」はハリウッド効果で、それぞれシネコン上映になったんだけど、あの時の違和感といったらなかった。それにデジタルリマスタリングしたカーウァイ作品もDVDで出てるけど、そういうのも違う気がする。やっぱり、ちいさくて、薄暗い(これは当たり前か)マニア好みの映画館で、輪郭がボヤけたような映像とアナログな音でひっそり観たいよなカーウァイは。
内容に関してはもういろいろ書いたから飛ばすとして、やっぱり私はカーウァイではこれが最高。トニー・レオンは今でも私の一番だし、レスリー・チャンがこの世にいないなんて信じられない。けど今回見てチャン・チェンの内面からきらきら輝く若さがすごくまぶしかった。この人を初めて見たのは「グリーン・デスティニー」で、格好良いけどビジュアルで押す俳優なのかと思ってたけど、その後ちゃらちゃらせず堅実に演技派の道を歩いてるのも好印象だし。
やっぱり何回観ても、チャンはストレートなのか? トニーの相手が男なのに気づいたか? というのが気になるこの映画、その辺りのうやむやカーウァイマジックが心憎いですなあ。大満足の一日でした。


「アーティスト」 ★★★★
日曜の朝イチの回に行ったのに、びっくりするぐらいガラガラだった。アカデミー作品賞受賞であんなに人が入ってないの、ここ20数年で初めて見た(汗)
でもまあ、イマドキ白黒の無声映画ときたらしょうがないのかも。私は逆に新鮮で面白かった。何より主演のジャン・デュジャルダンが、まさに往年のスターみたいで素敵じゃないですか~! 私的に格好良いフランス男って本当に少ないと思ってるんだけど、彼はその貴重な一人ですな。そしてやっぱり、映画黄金時代の夢と憧れが詰まっている。どこをとっても美しく、現代の、スターを自分のレベルまで引きおろすような、ゴシップやパパラッチ写真の氾濫がない時代に100分間だけ逆戻りできるような。
ラブストーリーが美しいというのも、今となっては本当に難しくて、いろいろ見ててつくづく思うんだけど、本当に映画における恋愛描写ってどんどんレベルが下がっているのですよ。信じられない話だけど、本筋に全く関係ないのに嘔吐シーンが出てくるラブストーリーってやたらと多くて、始まってすぐにこういうシーンが出てきた場合、私はもう観るのをやめることにしている。だってそんなの最後まで観て、美しいものを期待できますか? だいぶ経ってから出てきたらしょうがないから全部観るけど、テンションだだ下がり必至。笑いのシーンをはさむためにやってるのか知らないけど、あれを面白いと思って撮ってる感覚も全く理解できない。だから昨今ゲイのラブストーリーで心に残るものが多いのは、そこにこの手の(面白くもない)笑いをはさむ余地がないからではないだろうか、と思う。
笑いと言えば、ねたばれ→この映画では言うまでもなく犬なわけで、ああいうのも王道なんだろうけどやっぱり可愛くて良いね。観客が笑うシーンでは必ず音楽が途切れるようになってて、その辺りの計算も巧い。
ただ、星が半個ぶんだけ足りないのは、サプライズをほんの少しだけでも挟んでほしかった。そういうタイプの映画ではないとわかっていつつも。チラシなんかでも使われてる、主演の二人がこちらに向かって手を広げてるのがラストシーンなんだろうなという所までわかって観ているのは、やっぱり星1個ぶん味気なかったかな。



「ピナ・バウシュ 夢の教室」 ★★★★
先月観た「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」のラストで踊っていた「コンタクトホーフ」を、10代の少年少女たちが踊るところから映画は始まる。ダンス経験のない10代と、プロの違いは明白だけど、大事なのは結果よりも過程の方にあって、これはその過程を追ったドキュメンタリー。
まあ、たまたまこのピナ・バウシュという人の映画でドキュメンタリーが続いたわけだけど、本来はそれほど好きなジャンルではない。けど二本とも、ピナその人はほんの少ししか登場しないのに、すごく面白かった。ここに集まった10代の40人は同じ学校でさえないらしく、毎週一回練習のために集まるようなんだけど、その仲良くもなりきれないような微妙な練習頻度と、あの年代独特の気恥ずかしさが良い。舞台の端と端に座った男女が服を一枚ずつ脱いでいくという演技があって、「気恥ずかしさを残して」という指導があるんだけど、10代で舞台で服を脱ぐなんて言われなくても恥ずかしさありありなわけで、最初は「できない」と言っていたそういう殻をみんな少しずつ、少しずつ取り払っていく。それを見守るコーチ陣とピナの眼差しが優しい。
ピナが二本の映画の中で繰り返し言うのは「自分を表現すること、解放すること」。私がHPとかblogを始めたのも元々は「自分を表現したい」という理由だったけど、今はそんな欲求はさほどなく、習慣になって書いてる部分が大きい。表現することと我が強いことの違いも難しくて、自意識過剰を丸出しにして自己主張する人を見ると嫌な気分になる。けど自分にもそういうのはかつて大いにあったし、今でもたまにそういうのが顔を出して反省したりする。
けど自意識とか我とかを手放したつもりになってニコニコと涼しい顔をしてみても、やっぱり・・・そういうのは少し違う気がする。表現と我の違いなんてうじうじ考えているうちは、まだまだ「解放」までは至ってないのだろう。今後どれだけ自分を解放するか、そんなことができるのか、、、なんてことを考えつつ、この映画の可能性に満ちた10代を見るのはやっぱり清清しい。


「ドライヴ」 ★★★★★
大好きなキャリー・マリガン出演作ということでチェックはしていたものの、ライアン・ゴズリング的映画(ってどんなだ)が好きじゃなかったものですから、観なくて良いやとパスする方向だったけど、世間の評価がすごく高いので急遽観に行くことに決定。昔は天邪鬼で人が好きなものなんて嫌いだ!の精神でいたけれど、ここ数年この世間の評価は侮れないと必ず作品選考の際の参考にしている。
というわけでぅわお、出た!(by岡田) 星5個ですわ。ストーリー自体はまあ、大したものじゃないんです。あらすじを話すと1分で終わっちゃうような。低予算映画だけに目を瞠るような斬新さがあるわけでもない。だけどなんでしょう、80年代を彷彿とさせるような音楽の使い方、死語となった「胸キュン」という言葉がまさに似合うようなシーンも飛び出すし、エンドロールでは久々にアドレナリン出し尽くした後に足から脱力してガタガタ震えるような感じを覚えて(ただ単に昼食前で腹が減っていただけ?)。映画を観始めた頃にこういう感覚を何度も味わったなってしみじみ、それだけでもうありがとうと星5個献上したい気分。
ねたばれ→純愛というと大昔は白痴的女性が主流だったりしたし、なんとなく設定的に似た感じもある「レオン」は、相手が子供という部分で枷をかけたりした。でも現代はこれなんですね、「人妻」(またはゲイ)。17歳というまだ世間も知らない頃に出会った相手と子供が出来て結婚、刑務所からの出所をひたすら待つという人物設定は、このご時勢に見るとそれこそ多少白痴的でもあったりするけど、あのキャリー・マリガンの愛らしい横顔を見たら、恋するなという方が無理でしょう。
また、大してお金に困ってる様子はないのにしょっぱなから銀行強盗の片棒を担ぐというのも、ドライバーの何か闇の部分を見るようで、それは映画史に残るような美しいキスシーンの後で冷酷に顔を踏み潰すシーンにも表れてて。
だからラストシーンでどうかドアを開けてほしいと願ったのもあてが外れ、多分あのドライバーは命があって帰れるかどうかは問題ではなく、自分の後ろ暗さをアイリーンに見られたことが問題なわけで。それが冒頭で裏稼業をしてたことにも繋がり、彼は昔にも誰かにそんな部分を見られたのかもしれない、そんな風に説明過多でない所が、やっぱり巧いなあと唸らせるのだ。そうだ、死んだの? 生きてるの?と息を詰めた瞬きシーン、絶対私も我慢するぞ!と意気込んだのに3回も瞬きしてしまって、あの辺もこうやって先を読む映画ヲタクを負かせる作りが、さらにさらに映画ヲタ且つプロのものなんだなと感心しますね。

ライアン・ゴズリングはまさしくこの役に打ってつけでしょう。一見優男風のルックス、だけど意外としっかりとした上半身、なのにスラリと細い足。これが私のお気に入りのジョセフ・ゴードン=レヴィットだったらやっぱりもろ優男だし、いま流行のサム・ワーシントンとかだったらマッチョすぎていかにもでB級アクションになってしまう。あのライアンの微妙な雰囲気が良いのですなあ。100分という長さも、あーもっとこの人を見たいのに!とハンカチの端を噛み締めたくなる調度良さ。(多分今だけ限定の)myライアンブームが続きそうな悪寒。
ちなみにこちらもキャリー・マリガン出演ということで観に行こうとしてた「SHAME」、券を買う時の恥ずかしさを思うと見送ることに。大体この手の映画ってハズレが多いし、ポスターいっぱいに横たわったおっさんの裸体を見たら、そりゃねえべな・・・(悲)という感じでした。
# by bigblue909 | 2012-04-30 15:23 | 映画 | Trackback | Comments(4)

勉強オタク公言

ロゼッタストーン、相変わらず頑張っていますが、ReFlexという日本人向けのコースを開発したので、私が購入した従来型の方もかなり値上がりしたみたい。良かった、ギリギリだった。でもそのReFlexも高いけど見てると魅力的。

オンラインセッションは週一回はなるべく受けるようにしてるんだけど、数週間前にかなりヘコんだ回があって。先生によって授業の雰囲気がだいぶ違うけど、たまに理知的というか、使う単語がやたらと難しい人がいるのですよ。普通の時はレッスン内の聞き取りはほぼ大丈夫なんだけど、こういう先生の時は何をするかの指示を理解するのも難しい。
例えば「appropriate(ふさわしい)」という単語を出して(もうこの時点で初心者向けじゃないんだけど)、お葬式や結婚式などの服装について話し、「どう、どんな感じかわかった? 説明してみて」とくるわけです。外国語を勉強した人ならこの手の質問はご法度だとわかるはず。外国語を外国語で説明するのがどれだけ難しいかって! 日本語のわかる先生なら「相手に敬意を払ってする行為」みたいなことを言えば良いんだろうけど、はあ・・・と沈黙するか「I don't know」と言って終わらせるしかなく。しかももう一人の生徒がアメリカ在住のコロンビア人で日常会話はできる人で、「respect」という単語を使ってうまく説明して、こういうのが50分ずっと続いて。先生はニコニコして「良いのよ、良いのよ」と言うんだけど落ち込まないわけはなく、こういうレッスンがたまーにあると次のレッスンを受けるのにかなり勇気を要する。
でもやっぱり、ショック療法も必要で、この時から薄らぼんやり授業を受けない、と決めて日頃からせめて自分のことぐらいは言えるようにしようとリストを作ることに。例えば
I take a walk with my dog every morning. 毎朝犬と散歩をしますとか、
I have worked at the ~ for 2 years. ~で働いて2年になりますとか。その時にこの→Weblioというサイトを使ってます。
あと、グループでレッスンしてて弱点発見。「BB、誰々(他の生徒)に画面に出てるイラストについて質問してみて」とよく言われるんだけど、勉強してると質問されるのには慣れるものの、質問なんかしたことないからものすごく困る。なぜって日本語は最後に「か?」をつければ良いし、韓国語も最後に「~か?(なんと日本語と同じ)」をつけるか、平常文の語尾をあげるかすれば良いので、英語の語句が入れ替わるのに全く慣れない。これも5W1Hぐらいは難なく使いこなしたいと、リスト作成中。こういうリストを持ち歩いて、仕事中暇な時にこっそり見る(おい)とかして、覚える。今はそれを優先的に。でも、このリスト作りも時間がなくてボチボチなんだけど(泣)

あとは他の人が話してる時、ボケッと聞いてないで使えそうなものをメモするとか、自分の答えを先回りして考えておくとか。そうしたらやっぱり気持ちよくしゃべれて、そういう日はニコニコ。でも一度ラッキーなことに他の生徒が誰もいなかったことがあって、やっぱり私は性格的にマンツーマンの方が伸び伸びできるみたい。この時の先生は政治好きらしく、そういう話になると出てくる単語が難しくて聞き取りもままならないし、「日本はどう?」って訊かれても説明も難しいんだけど、こういうツッコんだ話しができるとやっぱりすごく面白い。ちなみに「アメリカには大統領がいるけど日本はどうか」と訊かれて「Prime minister とEmperor がいる」と答えて、天皇の方が自信がなくてドキドキしたけど、後で調べたらあってたからホッとした(汗) やっぱり、自分のことと日本のことを言えるようになることは、会話の最優先だなと思った。
まあ、最近はこんな感じです。他には今月からNHKラジオの「ラジオ英会話」と「レベルアップハングル講座」を始めた。そしてニンテンドーDSの「えいご漬け」が終わって「もっとえいご漬け」に突入。こういうのは勉強という気がしないのでついついやってしまう。韓国語の時はすぐにハマッたのに英語はなかなかだったんだけど、ロゼッタストーンを始めたおかげでようやくエンジンフルスロットルになったのですごく楽しいです。やっぱり自分は使う目的よりも勉強オタクなんだなとしみじみ思う今日この頃(笑)
# by bigblue909 | 2012-04-26 21:28 | 語学習得への道 | Trackback | Comments(0)

2012年3月劇場鑑賞映画

「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」を西宮まで観に行ったんだけど、同館でペドロ・アルモドバルの新作「私が、生きる肌」のチラシをゲット。喜び勇んで公式HPを見てみると、またもや兵庫では西宮のみ・・・。うちからは乗り継ぎ入れて約40分なんだけど、神戸でも上映することはできないんだろうか。こういうとこでも神戸の映画水準の低下が見えるんだよなあ・・・。

「青い塩」 ★★
私の「出演作は必ず見たい俳優」の一人、ソン・ガンホの新作。「イル・マーレ」の監督とのタッグということで観に行ったんだけど、なんだかずっとチープな感じが否めないまま終わってしまった。元ヤクザが料理教室へというユニーク(なのか?)な設定は、うまく使えば味のある人物像を作り上げられると思うんだけど、結局ソン・ガンホそのものの親父キャラに多少は救われたものの、中途半端で生かしきれない。
方向性としては、一見硬派なのに現代風の軽さと、アジョッシと若い娘がラブストーリーなのか、異性の友達なのか、はたまた親子ともしれぬような微妙な関係・・・というのをやりたかったんだと思うけど、いちいち狙いが透けすぎて観ていて恥ずかしいことこの上ない。
ねたばれ→躓いたかのようなキスシーンには、恥ずかしさを通り越して呆れてしまったし、「死なない弾」(ってなんだよ・・・)にお祈りしてる時点でラストまで丸見え。まあ、わかるように作ったんだろうけど(本気で作ってたら驚き!)、最後に流れる韓国お得意のボサノバみたいな変なK-POPが上塗りするチープさには、もう本当に本当に脱力。
韓国映画って、本当に当たり外れの差が大きくて、ギャンブルでもやってる気分になるんだけど、先月観た「ヤングアダルト」よりも星が☆だけ多いのは、やっぱりソン・ガンホの映画が観れたってぶんかな。そしてしつこく出てくる「塩」の連発で、ポイントで無料でもらったコーラとポップコーンの塩味が、余計に美味しく感じられたのだけ良かったから。


「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」 ★★★★☆
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」は私的にはなんの感動も感慨もなかったので、この映画もパスしようと思ってたんだけど、ネットで予告映像を目にして急遽観に行くことに。やー良かった。「ブエナ~」同様、映画としての物語性はどうなんだと思うものの、あの舞踊の数々の前にそんなのはどうでも良いこと。映画では言語上Danceと言ってたけど、これはやっぱり日本語の‘舞踊’ってのがピッタリだわね。日本語って素晴らしい。
私はこのピナ・バウシュという人のことも知らなかったので、あの人達の踊りも初めて観たんだけど、まさに「こんなの初めて!」とあわあわしちゃうような衝撃。時には肉体を痛めつけるほどの激しさで人間の様々な感情を表現するんだけど、観る者のその時の心理が反映するようないろんな捉え方ができるのも面白い。ちなみに私は「焦燥感」ばかりがやたらと目について、いろんなことをしたいのに出来ない焦りが、目の前のダンスに反映されてるのかなと思った。
男女ともいろんな人種がいて、それぞれの言語でピナを語るのも良い。日本人もいたけどなぜかあの人だけしゃべらなかったよね? 基本的には亡くなったピナ不在で進んでいくんだけど、生前のピナが登場するシーンもあり、明らかに空気が違う。なんとなくシャーマンにも似た存在。こういう神がかった人って、音楽で言えばBjorkみたいな、ほんの一握りの選ばれた人なんだよなと思う。
ねたばれ→どの踊りも素晴らしかったけど、最後の方で、縄で縛られ走っては何度も縄の短さに阻まれ、生きながら埋められるかのように土をかけられ、とうに大きくなった木を背負いつつ根をはる場所を求めて彷徨う姿にかつての自分を重ねて、本当にすごいなと心底驚嘆した。
そして話のネタとしては面白いものの、3D映画にする必要性がいまだみつけられない。今回みたく3Dのみで選択肢がない場合は特に。飛び出す面白さは最初の5分ぐらいで、あとは早い動きになるとボヤけるのと飛び出さない部分がかすれるのが気になるので、普通に見せてくれれば良いのにと思うのはいつもと同じだ。
「ピナ・バウシュ 夢の教室」の方もネットで予告を観てみたんだけど、すでに泣きそうになってしまったので、楽しみにしておこうと思う。
# by bigblue909 | 2012-03-28 21:54 | 映画 | Trackback | Comments(0)
< 前のページ 次のページ >