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イルカが愛を確かめにくる、青い海の底の日常生活

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2012年5月劇場鑑賞映画

去年の映画ベスト、もうとっくに決まってるんだけど、映画館で映画観すぎでちっとも書けない(泣) でもまあ、これだけ観たいのがたくさんあるのは嬉しいねえ。でも最近星の数甘すぎるんじゃない? と自分で思う今日この頃。
そして今「悪の教典」を読み始めたとこなんだけど、映画化がまた「ヒミズ」のあのコンビじゃないの! 三池監督だし、絶対観に行こう。そんで染谷将太はWOWOWで現在放送中の「罪と罰」にも出てるんだけど、やっぱ良い。すごく面白い役者だ。

「ファミリー・ツリー」 ★★★☆
2012年5月劇場鑑賞映画_a0031041_1143190.jpgハリウッドでハワイを舞台にした映画って、パールハーバーものを除いたら意外と少ない気がする。少なくとも私はエルヴィスの「ブルー・ハワイ」ぐらいしか思いつかない。ふ、ふるっ(笑) サーフィンものでさえ、カリフォルニアが舞台のものが圧倒的に多いし。だから人間ドラマとしては、私の中ではこれがお初だ。関係ないけど語学の勉強をしないで時間にもっと余裕があったら、ハワイアンキルトをやってみたいとずっと思っている。
冒頭でジョージ・クルーニーが「南国に住めば悩みが軽くなるとでも?」と言うとおり、暑いところよりは寒いところの方が俄然苦悩も思慮も深く見えるせいなのかもしれない。だからこの映画も、すごく軽快だ。会話が面白くて場内笑い声があがったし、私も何度も声を出して笑ってしまった。・・・でもまあ、それだけなんだよね、やっぱり。なぜだかハワイの景色と、あのからりとした風を思い出して、逆に心地良くなるくらいで。重いのだけが良いドラマじゃないけど、こちらまで迫るものはないというか。クルーニーは良い演技をしてたけど、こういう映画で男優賞は無理だろうなという。
あと最近、映画ならではのダイナミックさというのを求めてしまう。先日の「別離」みたいな濃密さを持ったものは別としても、劇場の大画面で観るならではのものを少しは提供してほしい。美しい風景以外にも。これはカウチポテト(完全死語)するには100点の映画だと思う。
それにしても、この映画の登場人物の一人が、見たことあるけど誰だっけって思い出せなくて気持ち悪かったんだけど、帰って早速調べたら、マシュー・リラードではないですか!! 一時期「スクリーム」や「13ゴースト」などのホラー系ティーン映画ばかり出て、でもどう見ても奇怪な容姿で「絶対犯人お前だろ、お前以外に誰がおんねん」とバレバレな人。名前がなかなか覚えられなくて、その見た目から「アホくん」と呼んでいた(爆笑)。でもあの奇怪さが薄れて、普通のハンサム中年になってた。キャリアも鳴かず飛ばずらしい。頑張ってね、アホくん。



「別離」 ★★★★★
2012年5月劇場鑑賞映画_a0031041_22522169.jpg去年NHKbsでアジア映画フェスティバルと題し、アジア各国の映画10本を放送してて、全部とはいかなかったけどほとんどを観た。そして数ヶ月前にWOWOWでこの「別離」のアスガー・ファルハディ監督の前作「彼女の消えた浜辺」も観たんだけど、中東の映画がなんだか最近熱いようで。もちろん日本に入ってくる段階でかなりふるいにかけられてるだろうけど、面白いんですよこれが。
私達のイメージからすれば、「貧しいんだろうな」というのが真っ先に出てくると思う。けど映画の中の人達はヴィトンのバッグを持ち、同じようにジーンズを穿き、髪は布で隠してるけど、それぞれ布の素材や巻き方で、むしろお洒落のひとつに見える。だけどまあ、こんなこと書いても「じゃあそれイラン映画? イラク映画?」って訊かれても即答できないんだけどw(答:イラン映画)
ねたばれ→みんなが誰かや自分を守るために小さな嘘をつく。幼い子供まで、親をかばって嘘をつくのがこれまた。そんなのは日常茶飯事なことだとは思うけど、胎児が死んだという事件の前ではその小さな嘘は命取りになっていく。少しずつ少しずつ、観てる方もむずがゆくなってくるような感覚は、前作「彼女が~」と同じだ。でも唯一人、嘘はついてないけど伝聞だけで状況判断をし、自分の都合の良い方に事を大きくするあの妊婦の夫、あいつが映る度に「もう出ないで」と顔を手で覆いたくなったなあ。ああいう人が一番イヤだなあ。
近代化したようでも、劇中「介護で男性に触っても良いか」と宗教相談室??に電話をかけるあたり、やっぱり不思議で面白かったりする。そして結局は「コーランに手を置いて誓えるか」という問いに背けなかった元妊婦の信心深さや、業が子供に及ぶという、私たちから見たら多少迷信とも思える部分も、母の愛なのか。だけど親の愛だかエゴだかが結局子供を不幸にする辺り、どこの国も同じだと思う。最後の話し合いで子供同士がじっと見つめあうシーンは印象的だったし、ポロポロと涙を流しながら進退を選ばなければならない娘には胸が痛んだ。最初は小さな綻びだったのに、どこかで狂っちゃった、というのが世の習いなのだなと、殺伐としたエンドロールを久しぶりに最後まで見守った。←ねたばれ終わり
なんであれ、この監督さんの映画は今後ももっと観たい。
10数年前に、近くて遠い国韓国の映画がいきなり封切られるようになって、それまで知らなかった隣国のいろいろが面白かったように、もはや日本人には「これからは中東だ!」ぐらいしか残ってないのかもね。
そんで最後は北朝鮮



「裏切りのサーカス」 ★★★
2012年5月劇場鑑賞映画_a0031041_21271749.jpg派手なアクションシーンのないスパイ映画、ゲイリー・オールドマンがアカデミー主演男優賞ノミネートということで観に行ってみた。公式ホームページに「鑑賞前にお読みください」という飛び出しが出てきて、きちんと読んで頭に入れたつもりだったけど、やっぱりかなり難解で、私にはよくわからなかった。帰ってきてネットであらすじを読んだけど、それでもわからなかった(笑)
そして詳しい方というのはいるもので、こちらで解説していらっしゃいます↓ 途中までですが。
裏切りのサーカス ねたばれ
なのでまあ、わかんないくせに星とかつけんなって感じだけど、一応映画的にそりゃあかんやろというのがありまして。それに関して星3つ。
ねたばれ→この手の誰が犯人か、裏切り者かという映画の宿命だけど、あれを観てたらコリン・ファースだろうというのは容易に想像がつくよねえ? ビッグネーム&推定ギャラ(笑)、それに反しての出番の少なさときたら、最後に絶対この人の見所ありなんでしょ? となるわけで。だからと言ってそんなに大物でもない俳優にやらせても誰やねん! となってしまうし、その辺り難しいなと思う。
まあ、内容が理解できてる人や原作既読者などはそんなのだけが焦点じゃないよとなるんでしょうけど、今回はそれさえもできなかった、ということで・・・。←ねたばれ終わり
それにしても、Wikipediaのゲイリー・オールドマンのとこを読んだら、ユマ・サーマンと結婚してた時期があったんだよねえ、そうだそうだよ!ってなんかビックリ。そういうキャリア以外のことって記憶から消え去ることが多くて、この前もジェニファー・ロペスとベン・○フレックが付き合ってたことを何かで読んで。ベニファーとか言われてたのを思い出して笑っちゃったw


「捜査官X」 ★★★☆
2012年5月劇場鑑賞映画_a0031041_21265541.jpg久々の金城武出演作、しかもドニー・イェン、タン・ウェイ、ピーター・チャン監督ときたらそりゃ見たいがな!と思ったものの、予告を観てもピンと来ず。ドニーが出ているのに金田一系のような年代物の割に猟奇的だし、一体どんな映画なのか全く掴めず。だけどこの面子が揃ってたら絶対なにか起こるよね? と半信半疑、ババを引く可能性におびえつつ観に行ってみた。
いやー面白かったですわ。これは、見せすぎなかった予告に感謝しなくては。見せすぎないことで客足は減るかもしれないけどそんなこと知らん。マトリックスみたいに良いとこ全部予告でやってたね・・・みたいな薄ら淋しさが残らないのが劇場で観る醍醐味だもの。
それにしてもいつも思うけど、ドニー・イェンてサッカー日本代表の長谷部誠と似てるよね?
ねたばれ→金城くんの妄想的推理も、逆に訴えられてもおかしくない無茶苦茶な捜査もユニークだったし、一見大したことはしてなさそうなのによく見るとすごい速さのドニーの動きもさすが。中国武侠映画のお約束、ワイヤーアクションも屋根走りも水落ちも、不自然に見えない範囲でされてるのが、本来カンフー畑ではないピーター・チャン監督が撮ったならではだと思う。
世間的にはラストの雷でボスキャラが死ぬのに拍子抜けしたという意見が多いようだけど、金城くんの針で死んだなんてヒーローものにされるよりはよほど良いのでは。←ねたばれ終わり
なんだか異種格闘技のような映画だったけど、とにかく「レッド・クリフ」以来金城くんを見れて満足。インタビューで「中国が一番マーケットが大きいから中国映画に出る機会が多いのか」と訊かれて「そうかもしれない。けど日本映画は結局黒澤明以来名の売れた監督がいないのが問題」と言ってたけど、ホントそう思う。中国や韓国に、どんどん置いていかれてるなあ。
by bigblue909 | 2012-05-19 10:56 | 映画
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ビッグブルーの本気な無駄話。


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