イルカが愛を確かめにくる、青い海の底の日常生活

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「北の国から」の21年分

BSフジで約一年かけて、「北の国から」を再放送していた。週に一回連続ドラマを半年、その後は月に一回スペシャルドラマを。私は録画して遅番の日にお昼ご飯を食べながら観るのを楽しみにしてたので、遅番の日はよく涙で顔をカペカペにして仕事に行った。でも楽しい一年だったなあ。
そもそもこのドラマを初めて観たのは中学生の時で、急に休んだ教師の授業の穴埋めでスペシャルの「初恋」を観せられたのが最初だった。授業内では全部観れず、「続きは今週末の再放送で」と言われ、そこからリアルタイムで観るようになった。だから連続ドラマの方は観たことがなかったんだけど、よくテレビ番組で「名シーン特集」をやると主要な箇所は出てきたので、なんとなく大まかな話しは知っていた。
だけど今回初めての連続ドラマ、きちんと観るといろんなことがよく繋がる。一番モヤッとしてたのが正吉がどうやら丸太小屋の火事に絡んでるらしいということだったんだけど、うちの親が正吉を見る度に「この親子が碌でもなくて」とブツブツ言ってたのがよくわかった(笑) だけど黒板家と笠原家の縁、雪子と黒板家の実の母親以上の縁、雪子と草太の縁・・・とか、やっぱり名シーン集だけではわからないものがたくさんあって、やっとスッキリした感じ。
国民的ドラマの「北の国から」だけど、20年前のバブル真っ最中の頃、このドラマが好きだと言うと露骨に嫌な顔をする人も好きという人と同じぐらいいたと思う。「どうしようもなく貧乏くさい」というのがその理由だったんだけど、震災を経た今、五郎が送ってきた生活を、ひいては倉本聰が訴え続けてきたことを、馬鹿にできる人はどれだけいるだろうか。電気に頼らず、自分で水を引き、自給自足し、物を大切にし、でも物に振り回されず、ゴミを最大限利用し、動物と共存し、自然と共に生きていくこと。バブルの頃に貧乏くさいと吐き捨てられたこれらのことは、1年前のあの日、足元からゴッソリと覆された。だからこその再放送だったのかなとも思う。

私的には「北の国からで一番好きなのは?」と訊かれたら89年の「帰郷」で、次に好きなのは95年の「秘密」だ。この二本はテーマや構成などとても優れてると思う。逆に92年の「巣立ち」が一番好きではなくて、この中で純も蛍も五郎を避けるかのように富良野に帰らない姿が、まさに東京から年に二回嫌々福島へ帰っていた自分と重なり、あの頃も今も、罪悪感と共になんとも言えない重みを感じさせるから。このドラマがこんなに支持されるのは、まさに日本中で、家を出るか戻るか、家を継ぐとかなんとか・・・そういうのが繰り返されているからだと思う。
98年の「時代」と02年の「遺書」は、一回ずつしか観てないせいか、大きな事件以外の細かい部分がほとんど記憶がなくて、今回、そうだったっけ?!などといちいち驚きながら新鮮な気持ちで観れた。最後の「遺書」で感じたのは、唐十郎が演じたトドが昭和の近所のあこちこで見られた「無茶苦茶怖いけど筋が通った親父」で、地井武男が演じた中畑のおじさんも、そして五郎も、みんなタイプは違えど北の最果てにはまだ、‘父権’がちゃんと残っているということで。私自身は2歳で親が離婚したので父親ってよくわかんないんですよ。今だからこそ片親の家庭なんかごろごろしてるけど、昔はこの黒板家同様、片親っていうと本当に奇異な目で見られた。だからなんか余計に、やっぱりこのドラマは「父と子」の物語であり、それをバンとまとめた「遺書」はうまいなと思う。
ちなみに実生活でも妻を癌で亡くしたばかりで、メイキングでも何度もNGを出しながら、「あいつ(妻)の癌が再発したらしい。もう長くはないらしいんだ」と涙と鼻水を流しながら一世一代の演技を見せたチイチイのご冥福を祈りたい。

そしてファンの間で名シーンとして挙げられる一位が、「初恋」の泥のついた二万円のシーンだそうだけど、私のランキングを三つ。
1位 「秘密」 自分の妻と同じ過ちを犯した蛍を一言も責めず、「蛍ぅ! いつでも、富良野に、帰ってくんだぞう!」と五郎が声を振り絞るシーン。ここは何回見ても声を上げて泣く。
2位 「時代」 蛍と正吉の婚約報告を聞いて、五郎が号泣するシーン。いやーこれは連続ドラマからずっと見てるとやられますわ。
3位 「連続ドラマ23話」 葬式の後に五郎が買ってくれた汚い運動靴をお巡りさんも一緒になって探すシーン。いかにも昭和なエピソードなんだけど、胸にジーンと来ますな。
番外 「巣立ち」 あれっすよ。「誠意とは、何かね?」。 これも菅原文太役者人生的名シーンだろうね。

倉本總はあちこちで‘その後’を語ってるけど、現在蛍は宮城(だったかな)で快と共に被災(正吉は死ぬ?)。埼玉でごみ処理の仕事をしていた純は結とは離婚(だわなw)、ボランティアでごみ処理で被災地へ・・・ということらしい。頭の中ではどんどん話しができてるみたいだけど、「もう脚本を書く体力の自信がない」んだそう。ファンとしては続きを観たいけど、あの「遺書」のまま、みんなそれぞれの家庭を持って人生を歩んでいく、というのが良いのかな。実生活で結婚と離婚をしてしまった純と結のワイドショー的な話題提供が、なんだか個人的にはガッカリだけど。
今まで全然興味がなかったんだけど、もし「Dr.コトー」の再放送をしたら見てみたいなと思う。「オールウェイズ」と言い、吉岡秀隆は良い役者人生を歩んでるようですね。
そして今はBSフジで再放送をしてる「不毛地帯」を夕飯時に観ていて、これは二回目なんだけど、会社の利益を超えて国の利益のために骨身を削る男の話が熱い。昔はこういう人がいっぱいいたんだろうな。フジテレビってアナウンサーがタレント気取りだし、報道は弱いし好きじゃないんだけど、やっぱりドラマはフジなんだよなといつも思う。
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by bigblue909 | 2012-07-22 11:55 | ドラマ
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ビッグブルーの本気な無駄話。


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