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イルカが愛を確かめにくる、青い海の底の日常生活

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(役に立たない)初TOEICへの道

英検の次はTOEIC。というわけで、6月の第181回を受けてみた。検索で来た方と、自分の備忘用に書いておこうと思う。
準備は塚田幸光著「始めての新TOEICテスト 全パート総合対策」という本。最初はTOEICを申し込んだすぐ後から2ヶ月、2回ぐらいは解いておこうと思ったんだけど、(当然ながら)面白くないので遅々として進まず、ギリギリ前日になんとか一度だけ解き終わった。当日の電車の中で、リスニングのアナウンス部分と、巻末のテクニック集だけ読み返した。会場がポートアイランドにある大学という特殊な所だったので、同じ駅で降りる人はほとんどTOEICの人。同じように解説本を読んでる人も多かった。あの英検の子供ばかりの雰囲気から一転、大人な雰囲気ですごくホッとしたな。

当日注意したこと
①体調管理と寝坊はもちろん、昼食を食べ過ぎないこと。家で勉強する時、満腹がどれだけ学習の敵かというのを痛感してるので。私は13時開始に備えて10時前に腹八分目だけ食べた。
②電車は早めのものに乗る。最近どうも電車の遅延にぶつかることが多いので、大事をとって。
③水分少なめ、糖分多め。大学に行く前にコンビニでチョコレートを買って、休憩所で数欠片食べて行った。
こんな感じだったろうか。でもトイレは念のため駅のと大学で受付後と2回行ったので、直前の休憩の時は行かなかったんだけど、構内のクーラーが効いててリスニングの45分が終わる頃には冷えてしまい、すでにトイレに行きたくなっていて参った。これは集中力に影響を及ぼすこと必至なので。夏場はどんなに暑くても、ストールか何か持って行って、畳んでお腹の上にのせておくだけでも全然違うと思う。

リスニング
攻略本のとおり、Part3と4は先読みを優先してマークシートに印をつけるだけにした。けどPart1と2の時に一問ぶん例を読み上げる解説アナウンスが長々と流れていたので勘違いしてしまい、3で一生懸命先読みしてたら例題ではなく本題が出ていて、みすみす一問(いや質問は3つあるので三問)逃してしまい、動揺して立て直すのにPart3の半分ぐらいかかってしまった(泣)
それにマークシートに印だけつけてReadingになったら一気に塗りつぶそうとか書いてあったけど、あれはReading速度に余裕がある人のテクだと思う。Part3と4のぶんを塗るのに数分とられてすごく無駄に感じたので、余計なことをせず手早く塗っておけば良かったと思った。
あとスピーカーを通す音の不明瞭さもあって、いつもヘッドホンでリスニングしてるのに慣れているので困った。普段からヘッドホンやイヤホンではなく、コンポなどから英文を流して自然音の中で聴く練習をした方が良いかも。そしてあの、あのオーストラリア訛りと英国訛りがぁぁ(泣) 予想以上に激しかったよ・・・。

リーディング
これも、思っていたよりはるかに量が多くて、恥ずかしながら私は200問の最後まで行かず。180問届かぬ辺りで終了3分前になってしまい、あとはひたすらA、B、C、D・・・とマーキングして終わったw
対策本を見てると、「いかに英文を全部読まないか」というテクニックの方ばかり書いてあるので、それもどうかと思っていたけど、実際受けてみるとなるほどテクニックなしで全部終わらせるのは無理。だけど同じものを日本語で読むとしたら、質問文を読んで本文から必要な部分だけさっと拾い上げるわけで、要はそこまでのレベルを英語でできる人が上級者、というテストなんだろうね。しかも上級者であれば時間内に全部読むことも十分できるだろうし。

とまあ、初めて受けたTOEICはこんな感じでした。テスト中すごく静かで、ページをめくる音を立てないようにするのに冷や冷やするほどで。あとハングル検定も英検も、係員がボランティアなのか結構いい加減な感じだったけど、こちらはすごく厳格で。でも厳格すぎて、最後に問題と答案用紙を集めるのに、そこまでしなくて良いんじゃない?ってぐらいまどろっこしくて、トイレに行きたかった私はイライラして頭かきむしってしまったわ。
結果は1ヶ月後のわけだけど、この感じだったら平均点行ったら御の字ではないだろうか。全く行ける気がしないんだけど(泣) でも一年後の同じ月に受ければ受験料一割引きらしいので、毎年6月はTOEICの月と決めて、自分の英語力向上の指標にしようと思う。でも私としてはTOEICよりも、やっぱり英検準一級がほしいなと思う。あちらは話す力も必要だから。いつか取れるように、あわーく目標にしておこう。
1月から試験対策の勉強法だったので、また会話の方に力を入れる勉強に切り替えた・・・という話は、長くなるのでまた次の機会に。
# by bigblue909 | 2013-06-26 17:38 | 語学習得への道

2013年6月劇場鑑賞映画

映画ミニコラム⑦
デフレデフレと言われるけど、この20年全く変わらないものがある。そう、映画館の料金。このまえ年に数回しか映画館に行かない人が「○○を観に行きたいけど、¥1,800出して行くのがねえ」と渋っているのを聞いてハッとした。私のような年に数十回クラスの人達はきっと、大抵の映画館の会員になっているので、出しても¥1,500ぐらいではないだろうか。映画館によっては¥1,300とか、レディースデイやメンズデイ、映画の日やレイトショー割引とか。ポイント制の所は5本観ると1本無料とか。
とにかくありとあらゆる手を使って少しでも安く観るわけだけど、神戸に一館だけ会員制を採用してない所があり、観たい映画がここでしかやってない時が困る。なるべくレディスデイ、ダメなら前売り券、どちらもダメだった時だけ不承不承¥1,800を出すんだけど、確かに数百円しか違わないのにすごく高く感じる。しかもこういう時に限ってつまらなかったりして、空しさ2倍になったり(去年の「ロック・オブ・エイジス」がそうだった)。
何かで読んだけど、そういう割引なども含め、今の料金制度での平均だと1人1本辺り¥1,200なんだって。だったらそんな面倒な会員制とか、変な特典グッズをつけた前売り券とかやめて、一律¥1,200にすれば良いのにと思う。だってああいうのだってかなりの経費がかかってるんだし。でもそれだと小さな劇場ではやっていけないんだろうか。いや、¥1,200なら観に行こうという人が増えるだろうから同じなはず。なんで映画だけバブル料金のままなのか?と思うと本当におかしい。

華麗なるギャツビー ★★★★
2013年6月劇場鑑賞映画_a0031041_15324871.jpgフッツジェラルドの「華麗なるギャツビー」は、村上春樹がエッセイで「人生の書」として何度もあげていて読んだ。同じ経由で読んだ人は結構いるのではないだろうか。その後春樹さん本人が訳したものも読んだし→(過去blogでの感想)、最初に読んだ時の野崎孝氏訳「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでいく。」の一文が好きで、今でもいろんなところで引用している。けど、本の感想でも書いたけど、話自体は決して好きじゃないんだよな。ギャツビーの憧れた世界が薄っぺらすぎて。それにギャツビーがディカプリオって?!とも思ったし。私の中ではキャラウェイを演じたトビー・マグワイアの方こそまさしくギャツビーのイメージだったんだけど。
ところがどっこい、いざ映画を観てみたら、これが意外と面白い。「ギャツビーが憧れた世界」が、あんなことになっているとは! あれはまさしくバブル期の日本では? お立ち台でフリフリするけばけばしい映像に口あんぐり、しかもギャツビーの、いやデカプ様の登場シーンの笑顔には、家だったら爆笑間違いなしだったけど映画館なのでできず、しばらく肩を震わせて笑ってしまった。でもデカプもトビーも見た目年齢が若いので、「加齢なるギャツビー」になってなくてホッとしたw
そしてそしてやっぱり! デイジー役のキャリー・マリガンがあぁぁぁ! なんて愛らしいのでしょう。声もセクスィーだし。本を読んだ時はなんでこんなク○アマを好きになれるんだと思ったものだけど、許したね、一気に許した。そりゃ好きになるって。隣りにいるジョーダン役のクールビューティも、新人さんみたいだけどすごく素敵だった。二人とも違うタイプで良さを引き出しあってて。そしてこれも出た! デカプのキレ芸がw 一本で一回は、みたいなお約束になってきていて、さすがだわあと妙な感心をしてしまった。
でも、このお話自体は平坦なんだけど、本を読んで薄っぺらだと思った世界にギャツビーが憧れてしまったその哀愁とか悲哀なんかが「そこはかと」流れるのが売りだったと思うんだけど、バズ・ラーマンのギラギラとした世界には、しょうがないけど希薄。だけどそんなのは気にもせず、自分の見せたい映像をしっかり作りやりきったのが逆にすごい。4月に観た「アンナ・カレーニナ」もそうだけど、そういう映画を最近とことん楽しんでしまう。
だけど原作があるものが陥りやすいのは、ナレーションで他人の心情までベラベラと語ってしまうところで。それをいかにやらないかにかかっていると思うけど、キャラウェイはしゃべりすぎた。そこを役者の表情と映像で表すのが映画なのに。でもまあ、ロバート・レッドフォード版は観たか観なかったか、観たとしても全く覚えてないけど、ラーマン印の「デカプを使ってこんなんしてみました映画」として楽しむには十分だと思う。
それにしてもデイジーが頭に巻いたターバンが可愛くて、帰りにあんなのないだろうかと探してしまったわ。衣装もすごく良かったよねえ。



イノセント・ガーデン ★★★☆
2013年6月劇場鑑賞映画_a0031041_225545.jpgこちらも先日の王家衛に引き続き、新作は必ず観たいパク・チャヌク監督のハリウッド進出映画。と期待してみたものの、これまた・・・うまいよ、うまいけど、やっぱりフツーの感じになってるんだよなあ。
他人が書いた脚本を与えられて撮ったようだけど、うーん、それって個性は何割引かになるわけで。まあそれが外国で撮るという別視点の面白さでもあると思うけど、やっぱり今まで韓国という国での臓器売買とか、宗教観とか・・・そういう背景があってこその面白さだったので、バックグラウンドを欠いて映画を撮るって、やっぱりうまく重ならないものなんだなと思う。
ねたばれ→父親が娘の中に育っているかもしれない狂気と暴力性へのガス抜きのために狩猟を教えるけど、結局人を殺すまでのエチュードになってしまった・・・という皮肉。冒頭でテニスボール(?だったと思う)をたくさん落とす黄色が弾ける様や、靴を並べる絵面の美しさにハッとする。そして毎年毎年同じ形のスクールシューズを履いて来たのに、性への目覚めと共にハイヒールに足を入れる儀式は、精神的処女喪失とも言えるわけで。同級生に突き刺した鉛筆を削る時に血の色がめくれる様は、傷口を見せられるよりなんだかゾッとして、そういうとこホントうまいと思う。
だけど娘のインディアのピアノ連弾シーンの官能や複雑さに比べ、ニコール・キッドマン演じる母親が、それこそあっさり寝返りすぎ(?)たり、昨日今日会ったような男を娘に取られて罵ったりとか、なんだか妙に薄っぺらかったりする。←ねたばれ終わり
ストーカーという安易なネーミングなども含め、なんだか安っぽいハリウッドサスペンスみたいな面がチラチラ顔を出してしまうきらいはあったかな。
そしてこちらが本命! ポン・ジュノ監督「スノーピアサー」が日本では秋に公開らしい。韓国の字幕入り予告版を観たら、最後に「雪国列車」と出てきて笑っちゃった。きのこの名前みたいですんごいダサいw 日本では「スノーピアサー」で行くみたいね。これも監督が初めて外国で撮ったものなので不安はあるものの、ソン・ガンホ様も出てるし楽しみだなあ。
今年の映画ではまだ「千年の愉楽」でしか星5個が出てない。そろそろ私のハートにメガヒットな映画を観たいのですが・・・。
# by bigblue909 | 2013-06-24 15:32 | 映画

2013年5月劇場鑑賞映画

映画ミニコラム⑥
前の会社で働いていた時、「BBさんは映画好きらしい」という噂が広まり、「最近何を観ました?」と訊かれることも多かったんだけど、「自分の息子を殺した少年に大工仕事を教える話(息子のまなざし)」とか、「監禁された小部屋から抜け出られるかという話(SAW)」とか、「コロンバイン高校の銃乱射事件をモチーフにした話(エレファント)」とか物騒なことを毎回答えてたら、すごく嫌な顔をされてそのうち訊かれなくなってしまったことがあるw まあ、その頃はこの手の映画を観ることも多かったけど、劇場に行く回数も今の倍ぐらいだったし、普通の映画も観てたから割合としては同じで、たまたま訊かれた時に直近で観てたのがそれだったというだけなんだけど。
でも最近、ようやく私も「わ、なんでこんな辛いことをわざわざ観なくてはならないの?」と思うことが増えてきた。どうせなら綺麗なものが見たいという。やっと人間になれたよ!by妖怪人間 いや、「追い詰められた人間はどうなるのか」というのに興味があっただけなんだけど。
しかも不思議なことに、どーーーーしてもダメなものがひとつ出来た。それはゾンビもの。まあ、私が好きなのは精神的に追い詰められていくものだったので、視覚的に追い詰められていくゾンビ映画は元々好んでは観なかったものの、前は普通に観てたはず。だけどここ3年ぐらいだろうか、ゾンビものの宣伝写真すら見るのもイヤになってしまった。ドラマ情報を見ると目に入る「ウォーキング・デッド」とかも、本当に嫌悪感しか煽らなくて、なんであんなのわざわざ毎週観にゃならんのだ?と思う。
思いつくきっかけはないし、いつの間にか嫌いになってたけど、多分あの生気のない目が一番ダメなんだと思う。生身の人間は精神的にも肉体的にも、みんな苦しむもの・・・。

グランド・マスター ★★★
2013年5月劇場鑑賞映画_a0031041_2282320.jpg王家衛(という漢字がなんかカッコ良いんだよな)の新作だからと、意気揚々と初日の朝一の回を観に行ったんだけどこれは・・・。ファンじゃなかったら星3個もちょっと厳しい。ひょっとしたらカーウァイの映画の中では一番映画らしいかもしれないけど、だからこそ良いところがごっそりなくなって、普通の映画になってる。
武侠映画といえば、正統派はそれこそずばり「イップ・マン 葉問」だろうし、最近では「捜査官X」の金田一っぽい組合せも良かった。「画皮」の胡散臭い感じも伝統的な香港映画で面白かった(偶然だけど3本ともドニー・イェンが出演)。宮廷ものと組合せるなら「女帝[エンペラー]」とか、とにかく武侠映画はプラスの部分で味を出していくもので。
だから前出の「イップ・マン」と区別するのならば、バイオグラフィの部分を強調すれば良いんだろうけど中途半端だし、アクション映画にするにはそういうシーンは少なめ。ピンナップのようなショット画面もあちこち入るうえに、突然ウォン・カーウァイ的なモノローグが入ったりして、ええ?と思う。
だって、カーウァイ的モノローグを入れるのであれば、監督本人が「あれは武侠映画ではない」と否定している「楽園の瑕」で、約20年も前に傑作を撮ってるし。あれは真性武侠映画ファンが、その手の映画だと思って観たら痛い目にあった、みたいなしてやったり感がすごく良かった。だってそれらしい服を着てそれらしい映像を撮って、その実やってることは「王家衛的男女のすれ違い」以外の何物でもなかったんだから。
ねたばれ→それにもっと映画的に面白くするのであれば、トニー・レオンとチャン・チェンの対決を最後に繰り広げるとか、そういうサービス精神はないのか?!と思う。日本人だからではなくて、カーウァイの映画で抗日みたいな政治的側面を見るとは思っていなかったのもガッカリしたことのひとつ。いきなりツィイーが「あなたのこと好きだったわ」なんて陳腐なことを言い出したのもちょっとビックリ。そういう幼稚なことを言わない映画を延々と撮り続けてきたくせに。←ねたばれ終わり
けどまあ、雨の武侠シーンはカッコ良かったし、何よりこの映画の主役はトニーよりもツィイーではないだろうか、と思うほど八面六臂の活躍をしている。
結局、カーウァイもハリウッドで映画を撮って、じゃあ何をするかとなった時、中国の巨匠たちが必ず撮ってる武侠映画ってことになったのかもしれないし、もう「王家衛的男女のすれ違い」を撮ってる場合じゃないとなったのかもしれない。興行的には一番成功したようだし、じゃあ次は何するの?という答えを、できればこんなに間をあけずに出してほしいと思う。
んで・・・その「楽園の瑕」、編集し直した終極版がこの夏上映されるみたい。デジタルリマスタリングされた他の作品も。私はまたそれを観に大阪まで行ってしまうんだろうな。



ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 ★★★☆
2013年5月劇場鑑賞映画_a0031041_1542348.jpg観たい映画が何本かあった中、世間の評判が一番良かったこの映画に決めた。いろいろ賞も獲りまくってるし。理由としてはそれだけではなく、王家ものやコスチュームものというのが元々好きなんだけど。
だけど、うーん、今回はなぜにあんなに評価が高いのか?と疑問を持ってしまった。私にはフツーの歴史ドラマに見えるのだけど。王家ものにはゴロゴロ転がっている、結婚への失望、王の狂気、女王の不貞・・・これが「デンマーク最大のスキャンダル」だとしたら、デンマークってかなりお堅い国なのではと思ってしまう。
ねたばれ→クリスチャン7世は白痴なのかと思いきや、意外と教養も高そうだし(王家で教育を受けてるから当たり前と言えば当たり前か)、今で言う統合失調症にかかっていたらしいけど、自分の妻を「ママ」と呼ぶ辺りの幼稚さなどは、そういうのとは関係ない気もする。ストルーエンセが民のために推し進めた改革を、嬉々として賛同していたけど、どこまで理解していたのだろうか。
そしてまた、ストルーエンセがしたことは全て市民のためだったのに、全く理解されていないのも悲しい。それはカロリーネ王妃も同じで、予防接種などに尽力したのはこの人だし。あのマリー・アントワネットでさえ、飢える民のためにじゃがいもの栽培を奨めたけど、じゃがいもの形がらい病を連想させるのと、何度警告しても無知で芽を食べて中毒死する者がいたりで、余計に憎まれたそうだ。いつの時代も民は愚かなのだろうか。先々を見据えた改革を理解できないのだろうか。←ねたばれ終わり
にしても、そのマリー・アントワネットの夫・ルイ16世の「趣味は錠作り」という事実の前には、無個性すぎるともはやそれが個性みたいな、ある意味クリスチャン7世以上に白痴なのでは?と思わずにいられないし、はたまたイングランドのヘンリー8世の暴虐無人ぶりとかも、映画としてはドラマチックだし、やはり王家ものではエリザベス1世もあわせこの三大スター(?)の前には霞んでしまうなと思う。
でもまあ、良質なので飽きずには観れましたかね。カロリーネ役は先日観た「アンナ・カレーニナ」のキティ役の子。キーラ・ナイトレイの美しさの影で目立たなかったと書いてる人が多いんだけど、私的には、はいい?という感じだ。キティの方がよほど可愛かったけどなあ。



L.A.ギャング・ストーリー ★★★★
2013年5月劇場鑑賞映画_a0031041_21504784.jpgこの日は寝不足で、だけど前日にPCで座席指定購入してしまったのでキャンセルもできず、朝イチの回を観に行った。予告ではシリアスモードだったので、絶対寝るなと覚悟して行ったんだけど・・・! 睡魔が襲う余地なんてどこにもなかった。とにかくのっけからバイオレンス! ダイナミック! ストーリー的には誰もがタイトルを挙げる「アンタッチャブル」とほぼ同じなんだけど、アンタッチャブルがアル・カポネならこちらはショーン・ペン扮するミッキー・コーエン、残酷! 残虐! 顔が怖い! もう、マドンナをぶん殴った時はこんな顔だったのでは?と想像してしまうほど怖いw あまりに老け顔が進んだので結構ショックだったんだけど、ネットで調べるとやっぱり特殊メイクだったみたい。
この手の映画には不可欠なキャラ設定もうまいし、なんですかこのカッコ良いおっさんたちは!と思わずにはいられない。ここ最近ヒットを飛ばしまくりのライアン・ゴズリングと、骨格的に頭の小さい黒人以外は、みんな顔が妙にデカいのが西部劇っぽくて良い。早撃ちのケナード巡査は役的にもおいしくこんな渋いおっさんがいるのかと思ってたけど、エンドクレジットでロバート・パトリックの名前を見てびっくり。T-1000がこんな良い歳のとり方をしてたのか! 他にもニック・ノルティの名前にあの太った本部長?! 見る影もないけど確かにあの声は・・・とか、驚きの連続だったんだけど、これからは映画を観に行く前にネットで配役を確認していこうと今さらながら思った。その方が多分より楽しめるし。もう、映画を観れば観るほどなぜか俳優の知識量って無駄に増えて、逆にごちゃごちゃになっていくんだよね・・・。反対に、最近やたら出ているエマ・ストーンて、私にはいまいち良さがわからない。オマラ巡査の奥さん役の人は妙に魅力的だったけど。
ねたばれ→ラストの殴り合いが評価の別れどころとなっているようで、それって去年の「ダークナイトライジング」と同じで。でもこの映画では、コーエンが元プロボクサーという経緯や、同じく元ボクサーのカールが「よし、決着をつけよう」と拳を握り締めて銃で殺されたという前振りもあったし、そんなに唐突ではなかったのでは。
私的には「アンタッチャブル」のあの伝説のゆりかごシーンに肩を並べるようなシーンが撮れれば星5個だったけど、クリスマスツリー越しの銃撃戦はわくわくしたものの、やたらとそれをスローモーションにするのがいただけなかった。ああいうのはスピードが命だから。マイケル・マンさんを見習ってね、という感じかw←ねたばれ終わり
いやいやでも十分面白かったですよ。ゴズリングさん休業宣言したみたいだけど、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」も残ってるし、楽しみだなあ。
# by bigblue909 | 2013-06-06 22:08 | 映画

平穏な日々の中に無理矢理なプチ岐路

平穏な日々の中に無理矢理なプチ岐路_a0031041_21274856.jpg←グラビア風のアンニュイな茜さん(?)の写真と共に、お正月ぶりに無テーマでぐだぐだと書いてみようと思う。
前に英検を受けた理由に「転職を考えているので履歴書に書きたかったから」と書いた。去年からずっと、諸事情により今年の9月で辞めようと決めていたんだけど、ここに来てまた迷いが出てきた。というのも、私の人生では初かも?というぐらい、ストレスなく働けているから。
入った時にねちねちといじめてきた人はすっかり丸め込んだwし、いつまでも新人扱いで決まった仕事以外はさせてもらえないのもやる気をなくす原因だったんだけど、一気にいろんな担当になり、今日はあれをしなきゃ!という面白さも出てきた。何より仲良しの同僚が出来て、休みの日もランチしたり、シフトの都合仕事はたまにしか一緒にならないけど、職場で友達に会ってるように嬉しい気持ちになったりというのも初めてかも。
だったら辞めなきゃ良いじゃないかという話だけど、そもそも辞めようと思った最大の理由が、シフトが月半分ほどしか入っていず、収入が大幅に減ったから。税金対策で去年の春からそういう方針になった。まあ少し我慢すればやっていける程度はもらえているけど、子供もおらず働き盛りの年齢と健康な体で、もっと働ける余地が十分あるのに「少し我慢すればやっていける」程度まで押さえ込まれるのはどうなんだろうと。私が強欲なんだろうかと思ったけど、むしろ子供がいる人達は「とてもじゃないけどやっていけない」と、私よりも深刻みたいだ。
でもこのストレスのなさ=収入の少なさと思って納得するか、また大変になるのは目に見えててもそういうものと割り切ってがっつり働くか・・・というので迷っています。それに人が聞いたら馬鹿みたいな事かもしれないけど、今の「平日に映画館に行ける」メリットは、私にとってかなり大きなものなんだよな。
それにしても、その「丸め込んだ」人がにわか私にちやほやするようになり、最近やたらと私の前でfacebookの話をする。凍りついて帰ってから検索してみると・・・ほんとだやってる! しかも職場の若い子たちとはすでに友達になっている様子。もしかして私がやってるのを知ってて話題を持ちかけてるんじゃ・・・と思うと怖くて怖くてw facebook話になると軽く流すことにしている。最初からあんなふうに接してくれてたらwelcomeだけど、あいにく散々嫌なことをされた。

この前久しぶりにまた服の整理をして、ごみ袋ひとつぶんと、靴を2足捨てることにした。服って、整理すると箪笥やクローゼットに余裕ができて、わかりやすくスッキリできる。けど、近藤麻理恵さん風に言えば「トキメかない」んだけど、「もしかしてこの先また事務仕事をするようになった時のためにとっておきたい服」が結構あって困る。もし辞めても次に何をするか全然決めてないけど、その時になってまた買うのもやだなと思って。
そしてジーンズはそろそろ全部捨てなきゃいけないかもな状態。なぜってピチピチのキツキツだから。まあジーンズを履くのも犬の散歩の時ぐらいになってるんだけど、私の人生でこのサイズのジーンズを履くのも最後かもしれない・・・と思い、一番良いので茜さんと歩いている。私にとっては良いことですけどね。

最近OASISの「don't look back in anger」が再びブームのようだけど、先日友達が「BBちゃんと言ったら思い出すのがこの曲」とメッセージをくれて嬉しかった。思い出せば当時その子がレコード屋さんでバイトしてて、お店のサンプルをもらって来て車で聴いてたのを、「これ誰?!」と私が大騒ぎしたのが始まりだったのだ。まあ、その友達はOASIS嫌いなんだけどねw 私も聴かなくなって久しいけどやっぱりあの曲は名曲だと思う。そんな私は最近ジャスティン・ティンバーレイクにはまっていて、また何か書きたいなと思ってるんだけど書けるかな。
とりあえずは31日公開の朝一の回ウォン・カーウァイ「グランド・マスター」に行くのを楽しみにしてるのと、なんで同じ日公開なんだのパク・チャヌク「イノセント・ガーデン」も本当に楽しみ♪
# by bigblue909 | 2013-05-27 21:38 | 日常生活

2013年4月劇場鑑賞映画

ツイッターにも少し書いたけど、4月1日のレスリー・チャンの命日に、「さらば、わが愛/覇王別姫」を観てきた。これはDVDも持っているし何度も観てるけど、さほど泣いた記憶はない。でも大きなスクリーンで観たらラストで泣けて泣けて、やっぱり映画館て良いなと再確認した次第。ビデオで観た時は3人の関係性ばかりに目がいってたけど、映画館だと引いて観れる。子供時代から文化大革命にかけての激動の時代の京劇のあり方という側面の切り口も良いし、記憶に残るシーンも違う。
観に行きたいなと思う映画はたくさんあれど、時間や費用の都合や世間の評判などで行くのをやめてしまうことも多いんだけど、やっぱりできる限り映画館で観なくては、と思う。

リンカーン ★★★
2013年4月劇場鑑賞映画_a0031041_226489.jpg今回久しぶりに土曜日の映画館に行ったんだけどひどかった・・・。おばちゃんたちがギリギリまで大声でしゃべってるのはいつものことながら、150分という長丁場に途中でトイレに行く人続出。画面の前を往復で走る人が10人はいて、ドアも自然に閉まるにまかせるから行き帰りバタンと鳴るのを聞かないといけないし、全然集中できなかった。
そういうのが影響はしてるものの、結局映画が面白ければそんなことにはならないわけで、「スピルバーグがリンカーンを描くから」と南北戦争のドンパチを期待して行った人がかなりいたのではないだろうか。でもこの映画ではひたすら会議・交渉・根回しの連続、正直言ってトイレに行きたくなる気持ちはわかる。
結局、「風と共に去りぬ」的な南北戦争は楽しく(?)観れても、奴隷解放という側面からの映画など、大半の日本人にはどうでも良いのではないだろうか。だけどスピルバーグにとっては、無視されがちな作品「カラーパープル」から一転、白人側からの視点・・・みたいな、そういう正攻法で撮りたかったテーマなのでは。
ねたばれ→家族の側面も描かれたけど、長男のロバート(ジョセフ・ゴードン=レヴィット!)が戦争に参加するのをリンカーンがあれほど拒んだのに、軍服を着てたのを見ると従軍したんだろうけど、私がジョセフファンだからか、んでどうなったの?あれ?終わり?みたいな感じで・・・映画の中ではかなり戦争も終わりの方で参戦したようだけど、心情など少しでもフォローしてほしかった。←ねたばれおわり
こんな薄口コメントでお茶を濁しつつ、個人的に主演男優賞はヒュー・ジャックマンに獲ってほしかったけど、まあこれを観ればダニエル・デイ=ルイスが三度目でもしょうがないかと。でも映画的には、うーん、もうちょっと面白く撮れなかったかとは思う。「ミュンヘン」はあんなに重いテーマでも、飽きずに観れたもの。
それにしても、「スーパー・チューズデイ」を観た時も思ったんだけど、ハリウッドって民主党を名指しで悪しざまに言うことが多くて、そういう「とある政党をフィクションでもなんでも悪者にして良い自由」がある潔さが見てて気持ち良い。日本ではきっと選挙法とか世論とか、いろいろ引っかかって作れないんだろうね。なんだかね。



アンナ・カレーニナ ★★★★☆
2013年4月劇場鑑賞映画_a0031041_1630332.jpg全く前知識を持たず、ネットで確認した星の数も低いのに、「なんとなく観たいから」という理由で観に行ったんだけど、これは思わぬ拾い物。ロシアの文豪トルストイの有名小説を、劇中劇のような、紙芝居のような、はたまたミュージカルのような、不思議な演出でゴリ押しするのですよ! この映画の予告を観た時は、衣装とセットが綺麗だという印象を持った覚えがあるんだけど、あの不思議な演出部分をもっと予告で前面に出してたら、もっと客足は伸びたかも、いや減ったかも?
とにかく好き嫌いがはっきり分かれる映画なんだけど、ストップモーションや群舞を多用する中に、ごりんごりんと長回しをして、寸分違わずタイミングを合わせ物語が動き出す手法に、あ、これ「プライドと偏見」の監督? だからキーラ・ナイトレイなの? と思い、エンドクレジットでジョー・ライトの名前を見た時は、やっぱり!と嬉しかった。「プライドと偏見」の冒頭で、庭から家のドア、奥の部屋まで一直線に突き進む中、この家の住人たちがタイミング良く横切る長回しの始まりに驚嘆したんだけど、今回はその比ではない。さらにやりたい放題なのだ。
キーラは痩せすぎだし顎出てるしエラ張ってるし、可愛いとか綺麗とかいう女優ではないと常々思っているんだけど、なぜかコスチューム物になると抜群な存在感を発する。そして不倫相手のアレクシス役のアーロン・テイラー=ジョンソン! なんですかこの美しい人は?! 若き日のジュード・ロウを彷彿とさせるようなキラキラ感なんだけど、その本家の方は夫アレクシスを(悲しくも禿げ頭で)演じていて、10年前だったら間違いなく愛人アレクシスの方なんやろねぇと、諸行無常の鐘の音を聞かずにはいられないのもなんかイイ。
ねたばれ→惜しむらくはキーラが元々は貞淑そうな妻には全く見えないので、いやいや、フツーに不倫するでしょ、という妙な納得感しか湧かないところ。だから死にそうになって夫アレクセイに庇護を求め、赦しという寛容さを見せる夫に対し、元気になった途端「うざい! きもい!」とボキャ貧な現代女性のようにキレてみても(いや、そんなことは言ってなかった)、パーティに強引に参加して身の程をようやく知り、「なんで全力で止めなかったの?」と呆れる発言をしても、勝手に愛人アレクセイが浮気してると妄想しても、元の部分の対比がないので、こういう人なんでしょ? としか思えないのだ。
だけど対比で言えば、アレクセイに捨てられたキティがどんどん人間的に成長していく過程が描かれていたのがすごく良い。文字盤を使っての告白シーンは本当にロマンチックだし、レヴィンが領主なのに自ら鎌をふるい、爪に土が詰まった手に寄り添うキティという描写が本当に良いんだ。←ねたばれ終わり
原作は読んでないので、どれだけこの映画が下世話な不倫話になったかはわからないけど、とにかくこの星4個半は、ただただ個性的な演出と美しいダンスシーンに捧げたい。
原作といえば、「レ・ミゼラブル」を少し読んで、他に予約した本が来たりなんだりで中断したんだけど、やっぱりフランス文学の、これでもかと貧困層の生活を描くところがすごく苦手だ。反対にロシア文学が上流階級の贅沢と空虚を絢爛に描き、農民のつましさと対比させて愚かさを際立てるのは、この映画からも十分伝わってきて、やっぱりそういう方が性に合ってるんだよなあ。まあ、どちらの本も、また落ち着いた頃に絶対読もうと思う。
# by bigblue909 | 2013-05-01 22:08 | 映画
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ビッグブルーの本気な無駄話。


by bigblue909
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