イルカが愛を確かめにくる、青い海の底の日常生活

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「セビリャの理髪師」 兵庫県立芸術文化センター

a0031041_21493513.jpg来ました、今年もオペラの夏が。7年目、そして9作目の佐渡オペラです。
今年は兵庫県内の地方(というのも変だけど)もツアーでまわるので、舞台装置を運びやすくしたためなのか、いつもよりも質素な感じで残念。そして日本語上演、ほぼ日本人キャストに加え、私が行った日が初日だったせいもあり、毎年ほぼ売り切れなのにS席がまだ残ってたみたいだし。そして客席のテンションも低め。いつも歌舞伎の屋号を呼ぶように、絶妙なタイミングで「Bravo!」叫ぶような人もいなかった。多分、そこまでの知識がある人が少なかったんでしょうね。
ダブルキャストで、私としてはロジーナ役は森真季さんの方で観たかったけど、取りやすかったのがやはり初日で、林美智子さんの方になった。この人は「カルメン」の時に変なところで息継ぎをするのが気になったんだけど、今回は良かったと思う。

やはり初日だからか、最初の方はオーケストラと歌のタイミングが合わなくてハラハラする部分があったけど、物語が進むにつれ大丈夫になった。というか、前の私だったら気がつかなかったんだろうけど、やっぱり少しずつ慣れるにつれそういうとこもわかるようになっていくわけで、何でもそうだけど知識と純粋に楽しむというバランスって難しいなと思う。
だけどやっぱり生演奏ですよ。楽器の音がダイレクトに耳に入るってなんて素晴らしいかと本当に思う。今回は5列目ど真ん中で席も良かったし。途中、オペラ独特の「セリフをだらだら歌う」シーンがやたら長くて、履き慣れない靴で精力的に歩き回った後だった私は何度か首がカクッと。ネットでインタビューを読んだら、佐渡さんがやはりこの部分を「独特の時間が流れる、難しい」と語ったようで、やっぱりね。なんかいかにもオペラな感じで・・・。寝たらもったいないからとなんとか睡魔と戦いつつも、一幕締めくくりの五十唱が楽しくてやっとおめめパッチリ。
二幕はしょっぱなからアルマヴィーヴァ伯爵役の鈴木准さんの「ご~き~げ~ん~い~か~が~♪」が可笑しくて、うふうふ笑っているうちのあっという間の大団円で、ソロだけではなく今回は狂言回しみたいな合唱団も要所要所で出てきて良かったかな。
けど今となっては結局「ご~き~げ~ん~い~か~が~♪」しか覚えてないw 視覚的なものも含めて、いつもよりも本当にこぢんまりとした作品。私としては少し物足りなかったけど、でも今回ツアーで田舎の方に住む人が、初めてオペラ!となった時、こういう作品の方が絶対良いと思う。私も最初が「魔笛」だったから次も・・・という気になったし(そう言えば、「ゴシップガール2」で「魔笛は初心者向けだからね」というセリフがあった)。個人的には、最初に「喋々夫人」とか「トスカ」みたいな情念&悲劇ものだったら、オペラが楽しいなんて思えなかったと思うし。
今回はスタンディングオベーションしなくても良いかなと思ってたけど、やっぱり佐渡ちゃまが、そして一生懸命つくりあげたキャスト、スタッフ、楽団の顔を見たら、やっぱり立ってしまったわ。コメディ→悲劇→コメディと来たから、来年は「キャンディード」みたいな啓蒙される作品が観たいけど、次は10作目、何かビッグタイトルなのかな。楽しみにしておこう。

それにしても、観に行くとかなりの確率で出演している晴雅彦氏(やっぱり安部サダヲ似)、今回はなんとセリフなしの役で。二役みたいだったけど、私が気づいた限りでは合唱のシーンしか歌ってなかった。そんなでも出演するところが、佐渡さんにも可愛がられ、もちろん佐渡さん大好きな相思相愛の関係なんだろうなーと思いましたわね。
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by bigblue909 | 2013-07-17 21:49 | エンタメ

オペラ「トスカ」 兵庫県立芸術文化センター

オペラの感想の前に・・・オリンピックについて言わせて。開会式をダニー・ボイルが監督、アンダーワールドが音楽監督ということで、これはちゃんと見ないとあかんと録画したの。いやー良かった。イギリスの歴史と文化がてんこ盛り、笑いも皮肉も効かせて面白かった。特に007とエリザベス女王のあのフィルム(やっぱり女王の後ろにはコーギーが!)と、ローワン・アトキンソンには笑った。いやいやさすがイギリスという感じ。パクリテーマソングやCG花火や子供口パクのどこかの国とは違うw
音楽はビートルズ押しかと思ったらほとんど出ず、でも最後にサー・マッカトニーが登場の辺り、なんとなくポール一人の人生おいしいとこ取りの気もするんだけど、ジョン・レノンが生きててもぜーーーーったいやらないだろうなと想像できるわけで。こういうのを心安く引き受けるのも、やっぱりポールなんだなとしみじみ。流れた音楽のほとんどが、これ聴いてる(聴いてた)よ! というのばかりで嬉しかった。でもアンダーワールドはなぜか同業者(?)のケミカル・ブラザーズの曲をよく使ってた気が。あとはMUSEかな。
こうなるとやっぱり8年後に日本のものも見てみたい。これは石原さんに頑張ってもらわねば。でもまたお相撲さんの行進やるのかなw 私の予想(と期待)→宮本亜門演出、坂本龍一音楽監督、聖火点灯高橋尚子、国歌斉唱さだまさし、オーケストラ指揮佐渡裕、パフォーマンスworld order。間違ってもEXIL○にはやらすな。

a0031041_21465889.jpgというわけで、無理矢理佐渡さんに話題を戻す。
今年もまた、佐渡オペラに行ってきました。blogで確認したら今年で6年、8作目の佐渡オペラ。佐渡さんにハマってから6年も経ったんだ!とビックリ。ここ数年すごくチケットが取りにくくなったのはチケットぴあの介入が大きくて、私は意地でも芸文会員の方で取ってるんだけど、こちらも「題名のない音楽会」効果なのか、アクセスが殺到する。そのおかげでせっかく取れたと思った良席がカード決済中に落ちて無効、泣く泣く一列目の端の方を取り直すことになってしまった。
そしてダブルキャストの外国人チームの方がやっぱり人気が高く、あっという間に席が埋まってた。なので私はオール日本人キャストの方にしたんだけど、この平たい顔族も頑張ってたよ。

今回、オペラを観たこともなかった頃から名前だけは知っていた有名な「トスカ」、「喋々夫人」に続きこれで私にとっては二作目になるプッチーニなんだけど・・・そのお蝶夫人の時も思ったけど、この人のオペラ、やっぱり動きがない。それがプッチーニのせいか、作った時代の流行なのか、それともイタリアンオペラがそうなのかよくわからないんだけど、やっぱり他のものを観てくると、地味というか古風というか、視覚的にあんまり面白くないんだよね。あと大合唱が少ないのも特徴かな。
さらに言うとやたらと物語が地に足がついている感じ。モーツァルトの「魔笛」なんか、登場人物がアニメ風というか、お話しも奇天烈で、でも夢いっぱいだったりするんだけど、そういう遊びの部分がない。しかもピンカートンが来るのをひたすら待つ喋々夫人に、私なぞは「アホかね」と夢も希望もなく思ってしまったんだけど、今回のトスカも一人でめらめら嫉妬して、キーキー立ち回って自滅するあたり、やっぱり「アホなのかね」としか思えず。でもこういう女性を可愛いと思って描いたのが、そのプッチーニか時代かイタリアかの好みの問題ならばなんとも言えないんだけどさ・・・。
でも今回はカヴァラドッシ役の福井敬さんによる、第三幕の「星は光りぬ」、自分の命がこんなに愛しいとはと歌うアリアがすっごく良かった。ここが一番ブラボーの声が飛んでた。いやー日常の心の垢が洗い流されるような歌声でしたわ。

最後はいつものとおり佐渡さんが登場して拍手喝采のなか幕が降りたんだけど、まあ今回は最初から悲劇だというのはわかってたので、自分のテンション的にこのぐらいかなという満足感でしたね。
来年は何かなと楽しみなんだけど、今までの傾向では悲劇→テーマ性のあるもの→コメディというサークルなので、それで言うと次はテーマ系かな。テーマで考えさせられて、皮肉ちょっぴり笑って、大勢の圧倒的な合唱が聞きたいな。来年はそういうスケールが大きいのが良いな。というわけで佐渡さん頼みます。
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by bigblue909 | 2012-08-01 22:06 | エンタメ

オペレッタ「こうもり」 in兵庫芸術文化センター

a0031041_1381339.jpgまたまたオペラの夏です。去年も同じぐらいの時期だったと記憶してるけど、去年は暑くて暑くて、ギリギリまで家にいて5分前に滑り込んだのを思い出す。今年のこの日は異様な涼しさで、西宮ガーデンズでランチもして快適だった。

さて、3年前の「メリー・ウィドウ」があまりにも評判が良かったからか、今回も同じような感じで。ダブルキャストだったけど、私は絶対黒田博氏と塩田美奈子さんのコンビの方!とチケットをとった。これも3年前のメリー・ウィドウのコンビと同じだから。これまたお笑い担当のざこば師匠は「最近燗は飲まないようにしてるの。カンはおろしといて」「今日九州男児のB型の人はいる?」だの時事ネタを駆使して笑いをとり、宝塚出身の剣幸さんも登場し、相変わらずの関西バージョン。舞台担当も同じ人の手によるものなので豪華だし、目を楽しませるダンサー達も。でも唯一ドイツ語で登場のヨッヘン・コヴァルスキーさんはかなり有名な人らしいんだけど、カウンターテナーというの? 妙に高い裏声で、素人の私には???な存在でちょっとイマイチだったかも・・・。
メリー~を踏襲してるなという感じで、私は予想通りの楽しさだったけど、今回初めて佐渡さんのオペレッタを観たという方の感想などを読んでると、やっぱりものすごく感激してる人が多いみたい。そうなんだよね、これは本当に楽しくて綺麗でゴージャスで、夢のようなひとときなんだ。
でもおととしの「カルメン」、去年の「キャンディード」は東京や名古屋での公演もあったけど今回は西宮のみ、こういうのこそが佐渡さんならではと思うので残念かなって。ただザコビッチみたいな人が関西を離れて全国公演というのは難しいのかもね。

でも、なんか今回あと引く余韻がないのはなぜかと考えてみると、終わってからも覚えてる曲がないからではないかと。観る前に内容を全く知らなかったメリー~も、今でも「それが女~オンナ~♪」って歌えるし、そういう点、モーツァルトみたいな人はすごい。彼の場合は例え内容は忘れたとしても、曲の方はコマーシャルソングのオンパレードだもの。今回はそういう音楽のインパクトが少なかった気がする。
佐渡さんのオペラを4年前に観始めてから、これで7作目になるけど、私の中の上位3作品は、1位がメリー・ウィドウ、2位が魔笛、3位がキャンディードかな。カルメンや蝶々夫人などの悲劇ものは、あんまり好きじゃない。生で観るならやっぱり楽しくて、最後にジンと出来たらもっと良い。来年の作品が何かはまだ発表されてないけど、そういうのが観たいな。
そして去年書いた「キャンディード」の感想を自分で読み返してみたけど、あらすじのところにこんなふうに書いてあったんですよね。
    そしてヴォルテール先生が繰り返し最善説を唱える。
    「この世界はあらゆる可能性の中で最善に造られている」と。
    戦争も、大地震などの天変地異も、貧しい国の飢餓も、全体を見れば最善を保つための、
    仕方のない不幸なのだ、それを誰かが担わなくてはならないのだと。
去年はこれをみんな阪神大震災を思いながら観た。でも今観たら、なおさら考え深いなって。果たして世の中本当に最善説で動いているんだろうか? これからも問い続けると思う。

そして今回も2列目ど真ん中で鑑賞、毎回毎回3列目までのどこかに座っている私、佐渡さんがオーケストラピットから客席を向く時はなるべく見ないようにしてたのに、なぜかチラチラとこちらを見る佐渡さんと何度も目が合い、絶対「また来てる」とか思われてるんだろうなーと(笑) なんだかお恥ずかしいのでそういうのもイヤなのですが、前で観た方が面白いんだもの。これから先もずっとかぶりつきで観るのだ。
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by bigblue909 | 2011-07-24 21:53 | エンタメ

1万人の第九、終了!

一万人の第九、日曜日に無事終わりました。前日リハーサル、当日の朝のリハーサルがあり、全体で歌うのは実質本番では3回目になるので、正直言うと前日リハーサルの時の方が感動したのですよ(笑) でも前日リハも安い価格とは言えお客様が入っていて、私、テンパッちゃって結構デカい声で突然ソプラノのパートを歌ってしまったり、当日朝は男声パートが一部出だしを間違えたりして、これが本番だったら・・・と冷や汗をかくシーンがあって。だって、こんな素人の催し物にチケットを買って来てくれる人がいるんですよ。それを思うと私、玉置浩二とかオアシスのリアムとか、絶対考えられないなあ。

プログラムは二部あって、司会は小倉智昭。第一部は大阪の淀工吹奏楽部とスーパーキッズオーケストラの演奏による、平原綾香の4曲。過去ゲストは去年が槇原、おととしはケミストリーなどなど、毎年の目玉らしいけど、4曲も歌った人は初めてらしくて。前日リハの時に「ここで1万人のみなさんにこうしてほしい」とか積極的にアイデアを出してて、かなり好感度あがりました。演奏もドラムやピアノは有名な人(すいません邦楽に弱いので名前が出てこない)で、「プロとアマが一緒に作り上げる」のがコンセプトのイベントなのです。
「Jupiter」は事前にレッスンの中で楽譜が渡されて私達もコーラスを入れる部分があって。と言っても簡単なものなんだけど、前日リハではうまくいかなくて、「発声練習の時の方が声出てたがな」とブツブツ文句を言ってたお客さんもいたんだけど、本番はバッチリ声が出て、平原さんも感激してた。第九をポップスにした「JOYFUL, JOYFUL」では打ち合わせどおり?一万人立ち上がって踊っa0031041_14154358.jpgた。ちと内輪で盛り上がった感もないでもないが(笑)、白と黒の正装した1万人が立ち上がって踊る様を見るのは結構圧巻でした。私も正装♪→

第二部はいよいよ交響曲第九番、演奏は私にはお馴染みの、芸文専属オーケストラPACと、京都交響楽団、一般公募で合格した5名とのこと。ソリストも芸文の定期演奏会でお馴染みの人ばかり。私、合唱隊として参加してなくても、こういうのをリハからずっと聴けてそれだけで十分楽しかったですわ。
合唱はやっぱり本番が一番うまくいって、心から安堵。私の席は佐渡さんを斜め後ろから見る位置だったんだけど、アルトが入るパートになると佐渡さんがちゃんと後ろを向いて合図を出してくれるんです。モニターは一秒ほど遅れて映るようで、「肉眼で僕を見てほしい」と言ってて。一万人もいると音が遅れて聴こえてきて輪唱してるような感じなので、佐渡さんの指揮だけが頼り。だからみんな一生懸命佐渡さん一人を凝視して歌います。それだけが目的で参加した私は本当に本当に感激。
正直言うと、アルトは声が低めなのでカラオケ風に地声で歌う人が結構いたんだけど、遠くから聞こえてくるソプラのやテナー、バスはすごく綺麗に聴こえて来てたので、全体になれば綺麗なのかも。地声は響かないから、そういうのは淘汰されて、結局綺麗な歌声だけが残る、そんなものなのかもね。それにしても、自分で歌ってみて、プロのソリストさんたちがどれほどすごいか痛感しました。天と地ほど違うな。
最後は「蛍の光」で会場全部に渡された簡易ペンライトを振りながら歌って幕なんだけど、これ、前日リハの時にモニターに練習風景の写真が出てきて、みんな歌えなくなってしまったんですよ。でもやっぱり本番は3回目なので平気だった(笑) というか、他の人の書いたものを読んでると周りが涙の嵐だったとかいうのも多いんだけど、私のブロックはすごくさばさばしてた感じ。お客さんのすぐ隣というのも大きかったと思う。
私は気がつかなかったけど、平原さんが第九を客席で聴いててくれて、最後のアンコールで舞台に出てきた時に泣いてたらしい。第九の何楽章かで佐渡さん泣いてる・・・?と思った部分はあったけど。佐渡さんて、毎日毎日指揮棒を振ってるはずなのに、いちいち感動するんですよね。そこにこっちも感動するし、私もそんな感性の人になりたい。けど、こんな感想を冷静に書いてる時点でダメか(笑)

とにかく、ネットの感想を読んでると、お客さん側も「すごかった」と書いてる人が多くて嬉しい。本番前の最後の1週間は、練習用のCDを多分100回以上聴いたと思う。覚えた、と思っても細かい部分があやふやだったり。本番でうろ覚えでモゴモゴしたくなくて、茜の散歩の最中も頭から何回も何回も歌って、人に振り返られたりしたけどそんなことかまってられなくて。そのおかげで思い切り歌えたので達成感があったな。
でも今は好きな音楽をやっと罪悪感なく好きなだけ聴けるのが嬉しい(泣) もう一度参加したい・・・という気持ちはあるものの、仕事と家事を終えて練習に通うのは大変だったし、今の職場ではシフト上難しいのもあって。でも、年末に第九を歌うイベントってすごく多いんですよね。芸文でも募集してたのを知らなかった。そっちでもいいな、という気も。

実は、先週の木曜日から歯が痛み始めて、だんだんひどくなってきたので前日リハーサルに行く前に歯医者に行ったんです。虫歯か・・・とすごくブルーだったんだけど、レントゲンを撮っても異常なしとのこと。新しい仕事の疲れが歯痛で出たのかも。痛み止めと化膿止めをもらったんだけど、今度は本番当日の朝、なんだかおかしいと思ったらやっぱり微熱が。
会場に行っても体がダルいままで、筋肉が痛み、歯もまたしくしくと痛み始めたので、歯医者でもらった痛み止めと買ってきた栄養ドリンクを飲んで、すごく元気な状態で本番を終えることができた。そしたら、汗をかきかき一生懸命歌ったおかげで、そのままどちらもすっかり良くなってたんです。これにはビックリ。多分、あの場のパワーみたいなものでしょうね。人の‘陽’の歓喜の波は、体調さえ良くするんですね。みんな楽しいことたくさんして、健康になりましょうよ ^^
本番の模様は12月23日15:55からテレビで放送の予定です。多分私は映ってないけど良かったら見てくださいな。
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by bigblue909 | 2010-12-08 14:16 | エンタメ

オペラ「キャンディード」 in兵庫県立芸術文化センター

a0031041_13303759.jpgそして今年もオペラの夏です。
とは言ってもこの「キャンディード」はオペラというよりオペレッタ、ミュージカル要素の方が強かった。今回は主要キャストが全員外国人だったんだけど、一人だけ、映画好きなら「ああ!」と思う人が出演してた。映画「クィーン」でチャールズ皇太子を演じたアレックス・ジェニングス。終始薄笑いを浮かべた様子が妙に似ていて、観る者の神経を逆なでたあの俳優だ(笑) この人が語り部のうえに何役もこなしほぼ出ずっぱり、演技担当の人なのかと思ったけど、本格的ではないものの歌も何度も披露していた。うん、いいな。この人はいい。

始まりは「題名のない音楽会」でもオープニングで使ってる曲なんだけど、これがいろんな場面で旋律を変えて出てくる。架空の国でのお話・・・となってるものの、舞台はアメリカで、ケネディ大統領夫妻やマリリン・モンローを想像する人がほとんどだと思う。アメリカの物質社会、奔放な生活、乱れた性(?)などの中でキャンディードとクネゴンデは育っていく。
そしてヴォルテール先生が繰り返し最善説を唱える。「この世界はあらゆる可能性の中で最善に造られている」と。戦争も、大地震などの天変地異も、貧しい国の飢餓も、全体を見れば最善を保つための、仕方のない不幸なのだ、それを誰かが担わなくてはならないのだと。

・・・なんてことを書くと小難しい話だとお思いでしょうが、実際は破天荒なストーリーてんこ盛りな上に、笑いあり、ダンスあり、そのうえ現代の政治を皮肉ったパロディありと、全編わくわくモード。各国の元大統領・首相が水着を着て登場し、ブッシュマスクをつけた人が「オバマくんは日焼けしすぎじゃないかね?」なんていうシーンも。
結局は、理想ばかりを追うキャンディードと、物欲にまみれたグネゴンデと、不平ばかりを言っているオールド・レディたちは、長い旅の果てに失望する。「だけどそれも所詮はひとつの物事であるだけさ、なんて達観できない僕らは」のセリフの後で、今までのお祭り騒ぎが嘘だったように、出演者がズラリと並んで、ものすごい声量で歌いだす。
    僕らは純粋でもないし、賢くも良い人でもない
    僕らはできることを一生懸命やるだけ
    家を作って木を刈って
    僕らの畑を耕そう

達観したいけどできない、そんなに賢くも心が綺麗でもない、だからやれることをやるだけ、という歌詞には誰もが身につまされ、思わず涙うるうる。隣で始まる前からコクリコクリ船を漕いだり、上演中ももじもじと動いたりガサガサと飴を舐めたりしてた隣の席のおばさんが、突然しくしく泣き始めたからビックリした(笑)
そんなしんみり&感涙モードの中、ジェニングス氏の大団円の一言、「シツモンアリマスカ?」に一斉に爆笑。もう、ほんっとうに良かった。いつも前の方ど真ん中の席をとる私は、後ろの人達に気を遣ってスタンディングオベーションしにくいんだけど、これには立ち上がって手が痛くなるほど拍手。そして我らが御大佐渡さんも登場し、出演者と客席、手を振り合って幕が下りた。

去年の「カルメン」がイマイチだったのもあり、なんかホントすごく良くって一安心。あんまり暑いんで、芸文に行くとき恒例のショッピングも全くせず、開始5分前に滑り込んで映画でも観るようなモードで挑んだけど、やー満足。やっぱり佐渡さんのこれを観ちゃうと、他のお芝居とか、あんまり手が出なくなってしまうの。またNHKで放送してくれるといいんだけどな。
そして、9月には定期演奏会で佐渡さんの「惑星」があって、大好きな交響曲だけに絶対行くぞ!と思ってたのに、私らしくもなく発売日をすっかり忘れてたのー! 気づいた時は遅し、土日は全て売り切れ、僅かに残った金曜日は、その前の週に韓国旅行に行くので休みなんか絶対とれないのであきらめた。人気の曲だからしょうがないけど、オークションゲットするか、むむ、それもアリだな。
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by bigblue909 | 2010-07-31 15:16 | エンタメ

ヴェルディの「レクイエム」、117の鎮魂を

久しぶりの芸術文化センター定期演奏会、去年の4月以来かな?
今回は阪神淡路大震災からちょうど15年ということで、ヴェルディの「レクイエム」、私が行ったのは初日の金曜日だったけど、3日間ある最後の日曜日は、17日の午後<5:46>に開演だそうで(実際は朝だったから、12時間違いなんだけどね)。私も正装ということで、スーツでビシッと決めて赴いた。
そもそも佐渡さんの音楽を聴いてみたい!と思ったのは、今はなき「オーラの泉」に出演した佐渡さんが、震災で亡くなった人たちのことを思い「僕はなにもできなかった」と涙を流すのを見たからだった。きっと心ある音楽を紡ぐ人なんだろうなと思った。

というわけで、今回は通し演奏すると1時間半もある長い曲で、入場する時に「途中休憩ありません」と言われた。会員制度も定着したおかげで席が本当に取りにくくなったので前から2列目、目の前にでっかいチェロがでで~んと居座り、後ろに大勢おられる合唱団の方々が全く見えず・・・おかしい、こんなに近かったっけ??(多分合唱団のぶん前にせり出したと思われ)。
そして4人のソリストと佐渡さんが登場。合唱団による「レクイエムとキリエ」の次は、にわか怒りを叩きつけるような「セクエンツィア」。この曲はわかりやすく言うとあれです、「バトル・ロワイアル」。カッコ良いでしょ。あのテーマ曲?の壮大な合唱が流れる時はこう歌ってるのです、
  怒りの日、その日は、ダヴィデとシビッラの証のとおり、世界を焔のなかで溶かしてしまうだろう
まんま大震災を思わせる歌詞ではないだろうか。バリバリと落ちる雷のようなティンパニの音とか、3階に配置されたトランペット軍などが迫力を増し、佐渡さんの激しく振り下ろすタクトを見てたら、なんだか泣きそうになっちゃった。

ソリストのみなさんは、佐渡オペラに関わり深い方々ばかりで、去年の夏のオペラ「カルメン」で見たカルメン林美智子さん(妊娠中みたいですごいお腹だった)、エスカミーリョ成田博之さん。お初の松本薫平さん。そして家に保管してあるパンフで確認したら、「魔笛」「蝶々夫人」「メリー・ウィドウ」と3度も機会がありながら、私が見に行った方じゃないキャストにばかり組み込まれてたらしき並河寿美さん。この人の声量と迫力がすごく気に入ってしまって、これからのオペラにも出演するのであればぜひ見たいな。写真よりもずっとゴージャスな人だし。
で、この4人のソロもすごく良かった・・・んだけど、お恥ずかしながらプチ寝をしてしまって。歌詞を確認するのに下を向くと数秒だけカクッとくる。ごめんなさい・・・。言い訳をすると、-1度の寒空の下を茜と1時間走り回り、お腹いっぱい食べてヒールの高いブーツで西宮ガーデンズを歩き回ったせい。本当にもったいない聴き方をしてしまった。
そしてこの曲は、こんなふうに締めくくられる。
  その日、怒りと災いと苦悩の日、その日、火によって世をお裁きになる非常に辛い重大な日
  永遠の安息を彼らにお与えください主よ。そして久遠の光が彼らの上に輝きますように!

そう願わずにはいられません。

なぜだかお約束になったアンコールでは、今夏のオペラ「キャンディード」の曲をオケ&合唱で締めくくり。私、行く前はこう、涙なみだの演奏会みたくなるのかと思ったんだけど、結構みんなケロッとしてて、普通に良い演奏会という感じ。西宮も被害の大きかった場所なんだけど。「レクイエムはどうしても寝ろって感じ」と感想をもらしてた人も(笑)
なんにしても、亡くなられた6434人の方々の魂が、あそこに集って喜んでらっしゃったことでしょう。私は震災は経験してないけど、神戸は気候も街も本当に素晴らしい。でも周りの人に話しを聞くと、震災以降神戸は職にもつきにくくなったし、昔は賑わっていた通りも、シャッターが閉まってるのが多いという。15年経っても傷跡深いけど、なんとか頑張ってほしいと心から思います。
明日はみなさん、一度で良いので手をあわせてあげてください。
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by bigblue909 | 2010-01-16 23:41 | エンタメ

久しぶりに佐渡ィスト発揮ということで

先週、相方と兵庫県立美術館の「だまし絵展」を観に行きまして。これがもう頭痛がおこるほど人がいて、絵を鑑賞するどころの話しじゃなかったんだけど、30分待ちの入場制限で並んでた時、私の目に飛び込んできたもの、それは「佐渡裕講演会」の文字。ほとんど宣伝もしてないようだし、限定250名だし、前売りのみ当日券なしという強気の(?)催し。そうか、今日はこのポスターを見るためにここに並ばなきゃいけなかったんだ! と思い、そそくさと購入。
というわけで、本当は奈良に行くつもりでとった休みを変更して行ってきました。開場時間ぴったりに行ったのに、すごい行列。平日の2時半なのにね。
3時きっかりに佐渡さんと、美術館の副館長さんが登場。この日のテーマは「芸術は心のビタミン」だったんだけど、副館長さんによると、日本三大奇跡と呼ばれてるのが、北海道の旭山動物園、金沢の21世紀美術館、そして兵庫の芸術文化センターなんだって。その話にそって芸文の話しをして、佐渡さんの生い立ちに話題が移ったんだけど、佐渡さんがもうしゃべるしゃべる。内容的には私としては、本やテレビで仕入れたものと同じだったんだけど(っていうかお前が知りすぎだろって感じだが)、予定では第一部40分のはずが1時間超え。ご機嫌でリコーダーでタイガーマスクのテーマを吹いたり、調子こいて「次は2本」なんつって第九を口に笛2本咥えて吹く姿が佐渡さんらしい(笑) だけど段取りとか気にする私は、舞台の端であたふたする裏方が気になって気になって。

そんなわけで短い休憩を挟んだ第二部、「さっきしゃべりすぎちゃったねえ」と言う佐渡さんに笑いが起こる。「絵の話しは苦手なんですが」という佐渡さんが、準備してきたという絵のスライドを見ながら話しを聞く。ここからは美術館の副館長さんも本領発揮という感じで。この生真面目そうな副館長さんと、いい加減な佐渡さんというデコボココンビがなんか良いわ。
絵はモネや日本の仏像の写真などを見ながら、そこに佐渡さんがチョイスしたクラシックを合わせて流すんだけど、こんな風に絵が見れるとは贅沢な気分。京都で育った佐渡さんは、近所にあるものが教科書に載ってらという感じでなんのありがたみもなかったけど、最近「京都には本当に素晴らしいものがある」と思い始め、myブームが仏像なんだって(おんなじね♪)
音楽の方はベートーヴェンの「皇帝」や、モーツァルトの「魔笛」とか。そして来年の1月に芸文の定期演奏会で予定してる、ヴェルディの「レクイエム」も。この演奏会は阪神淡路大震災の犠牲者を弔うプログラムなので、私もすでにチケットを取ったもの。思いがけずこんなふうに解説してくれて嬉しい。

最後に、開始前に佐渡さんへの質問を募集してたんだけど、それに数問答えた。私のは読まれなかったけど、似たような質問を書いた人がいて。それは「国によって楽団に違いはありますか? 日本はどうですか?」というもの。もちろん同じ国でも楽団によっていろいろあるけどと前置きした佐渡さん曰く、「ドイツは気難しく理屈っぽい、やれと言ってもなかなかウンと言わない、だけどウンと言ったことは必ずやる。フランスはすぐにウンという、だけどなかなかやらない。日本はまず静かなのに驚く、そして一発目でとてもレベルの高い演奏をする、なのになぜか練習するほど下手な方に修正していって、このぐらいで良いかみたくなる」と言ってた。日本のはスポーツでもなんでも当てはまるようで笑ってしまいますね(いや、多分笑ってはいけない)。
そのあとは5名にプレゼントと言って抽選会。講演会告知の佐渡さんのポスターだったんだけど、「こんなのほしいかなあ?」と佐渡さん。ほしいに決まってるがな。だって当たったら佐渡さんが手渡して握手してくれるんだよ? もちろん私はハズレました・・・。
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というわけで、予定してた1時間半を大幅にオーバーした2時間、「僕、今日すごく楽しかった」と言って終了。そりゃあ自分の話を聞きにきてくれた250人の前で2時間もしゃべったら楽しいだろうさ(笑) 帰りはとっても心和やかにニコニコで帰れた。世界中でタクトを振ってるような指揮者が千円で2時間もしゃべるのは佐渡さんだけだと思う。
私、佐渡さんの演奏会やなんかに行くと、マンガ「ガラスの仮面」に出て来たエピソードを思い出すのです。それは天国と地獄には同じものがある、というもの。目の前にたくさんのご馳走と、ながーい箸。天国では長い箸で食べ物をつまんで「あなたからどうぞ」と向かいの人に食べさせてみんなニコニコ。地獄では食べ物を我先に箸で掴めど、箸が長くて自分の口には絶対に入らず飢えてるの。もちろん佐渡さんが本当はどんな人かなんてことは知らないけど、私は佐渡さんはその場を「あなたからどうぞ」とできる雰囲気に変える力があると思うのです。
フィルムかなんかの辻井君のCMも良いよねえ、「先生にアルバムをプレゼントしたい」っていうやつ。やっぱり私はこれからもサディストだ。
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by bigblue909 | 2009-11-01 16:00 | エンタメ

佐渡裕プロデュースオペラ 「カルメン」

a0031041_15155667.jpgというわけで、この夏もまたオペラ鑑賞を。今回は私、ちょっと(悪)知恵を働かせた。「チケットを一枚だけ買って2回観る方法」。なんのことはなく、本番数日前の会員限定公開リハーサルに応募したのだ。毎年やってるのは知ってたんだけど、平日だったし、なによりきちんと買ったチケットで初見して楽しみたい! というのがあって。でもオペラってものすごく情報量が多いので、1回だけではフォローできない部分もあり、今回は行くことにした。
とは言っても公開リハーサル(ゲネプロと言うらしい)の招待客は、2階席と3階席のみなので、自分で買った1階3列目のチケットと比べたら雲泥の差。佐渡さんはゲネプロの時だけ招待客のためにプレトークをしてくれた。Tシャツにチノパンというラフな格好で登場した佐渡さん。いま思うとあの時着てた小豆色のTシャツ、本番の時に売店で売ってたカルメンTシャツだったんだな。
これを観に行って良かったかっていうと、うーん、あまりそうとは言えないかも。なんと言っても舞台から遠いせいで、なにをやってるか、いま誰が出てきたかというのがわからないので身が入りにくい。1階席で聴くよりもオーケストラの音が綺麗なので、音楽の全体像を捉えるには良いものの、芝居が見えないぶん休憩も含めて3時間半の音楽鑑賞をしてきた感じで、やってみるとこれは結構キツい。本番ではお金を払ってあの席に座る人もいるわけだからあまりひどいことも言えないけど、芝居の方を重視する私としては、うーん、来年も応募するかと言われたらちょっと考えるなあ。

というわけで、一度そんな感じで観てしまったのでさほどワクワクもせず、ちょうど10日後にチケットを握り締めて本公演へ。私が行ったのは7月4日土曜日、主要キャストが日本人の方。ちょっと残念だったのが、2日間のゲネプロでも、私が当選した方が同じキャストだったこと。もう一方の外国人キャストが観れたら比べる楽しみもできたんだけど。
だけどやっぱり前の方の席は全然違う。カルメンが男を誘惑して抱きしめるフリをして財布を掏ったり、そのお金を女工のみんなにバラまいたり、紙幣に火をつけたりなんて小技は、やっぱり3階席からは全然見えなかったし。気まぐれにカルメンが放った花を、ホセが刑務所の中で大事そうに何度も見たり、ラストの瞬間にも取り出して悲嘆したりなんてのもこの時じっくり見れて、ああ、こういう話だったんだなって。
音楽はしょっぱなからあれですよ。月曜21時の戦いの火蓋が切って落とされる、そう、「T・V・タックル!!」(笑) カルメンの歌う「ハバネラ」も、エスカミーリョの歌う「闘牛士の唄」も、誰もが知っている有名なもの。 

でも、休憩時間にロビーに座ってジュースを飲んでたら、隣に座ったお婆さんが、「あなたも一人?」と声をかけてきた。「私ね、感想言って良い? 暗いばっかりで全然面白くない。去年のね、メリー・ウィドウはすごく良かったの。だから来たのにガッカリ」とのこと。う、それすごくわかる。あの「メリー・ウィドウ」は、煌びやかで可笑しくてゴージャスで、こんなに高揚して良いのかってぐらい楽しくて、極楽を垣間見たような3時間だったの。ほんっっとうに楽しかったの。おととしの「魔笛」での光を感じるような祝福のラストも、すごく良かったんだけど。
そして私、この演出に関して大きな不満がひとつあって、闘牛士が少ししか見れなかったこと。大体このお話、軍人のホセ、そしてジプシーのカルメンやその仲間などが主なので、見た目華やかなものではない。だから衣装も質素なのが多いんだけど、そこに4幕に登場する闘牛士たち。唯一華やかなシーンなのに、あんな綺麗な衣装を着て、右から左に歩いて行って終わりなの。しかもその行進シーンさえ、マタドールのエスカミーリョはカルメンと突っ立ってて、代わりに子供が真似して歩いて終わり、どーゆーこと?!ってビックリ。
それこそハリボテの牛なんか出て来た日にゃお笑い種だけど、マタドールの真似は牛がいなくても十分できるはず。赤いマントを翻せば良いんだから、たったそれだけなのに、群集が大騒ぎする後姿と声だけで表現してしまった。信じられない。素人の私でさえここは魅せ所だと思うのに。
そして、You Tubeで外国でやったものなど見てると(もちろんやってた、マントひらひら)、うーん、今回の公演に明らかに足りないもの、それは「エロス」なのだなって。日本人て、良くも悪くもやっぱり清潔。不謹慎覚悟で言うと、ジプシーってなんとなく小汚そうじゃないですか(笑) でもそれに強烈に惹かれる情熱! エロス! ほとばしるエロス! みたいのは、多分日本人には出せないものなんだと思ひます。

というわけでまあ、いろいろ書いたけどフツーに楽しんでは来たかな。なんだかんだ言って、やっぱり私には年に一度の贅沢なお祭りの日だもの。来年はバーンスタインの「キャンディード」だそうで。頼むよー佐渡さん!
そしてこの日はNHKが撮影に来てたので、そのうち放送があると思う。録画せな。
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by bigblue909 | 2009-07-08 15:23 | エンタメ

兵庫芸術文化センター管弦楽団 第18回定期演奏会

またまた定期演奏会です。今回のラインナップはこう。
   ハチャトゥリアン 「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調」
   バーンスタイン 「交響曲第3番 <カディッシュ>」

前半はゲストでヴァイオリニストのネマニャ・ラドゥロヴィッチ。若干23歳のユーゴスラビア人なのですが、近頃パリなどで人気が出てきた先鋭らしく。演奏は情熱的かつ表現力豊かですごいですよ!! ハンサムな濃いぃ顔を弓と一緒にたくみに動かす様がまた良くて、でもたまにローワン・アトキンソン@Mr.ビーンぽい顔になっちゃうんだけど(笑)
途中で弦が切れるハプニングもあったけど、こんなにヴァイオリンの音色を聴いてて「面白い」と思ったのも初めて。休憩時間にホールで売ってたCDを買おうか迷って、手持ちの現金も少ないしネットで買お・・・と思ったら、ネット検索しても売ってない様子(泣) やっぱりクラシックは現地即買いが鉄則ですね、学習しときます。とにかく、要チェック人物ですぞ。

で、その休憩に入る前に佐渡さん自身が登場して、「本当は演奏前に解説なんてやってはいけないんだろうけど・・・」と前置きしてから「カディッシュ」についてのプレトーク。それ自体にこの曲への並々ならぬ熱意が伝わってくると思う。
去年の4月にこのCDを聴いた時の印象は、なんだか変な曲だなというのが正直なところ。語りが多くて、舞台の一部を切り取ったかのような。音楽もなんとなく恐怖映画っぽいし。で、その語りは通常男性がやるらしいけど、今回は女優の原田美枝子さん(綺麗だったよ!)が登場して日本語で。手元のプログラムにも日本語の訳が載ってるんだけど、やっぱり母国語でやってもらえると理解が深いというか。
CDの男性は結構淡々と語ってるんだけど、原田さんはたまに感情を顕にするのがすっごく良いんだ。「どこですか? あなたの信仰、私の信仰は!」

この曲は生前のバーンスタインが広島にやってきて指揮し、それをテレビで見た佐渡さんがバーンスタインの元を目指した、というのはご本人が繰り返し語られる話なんだけど、私なりに、この曲をきちんと理解したつもり。
神への敬虔な祈り。流される血、とどまらない欲、憎しみ、報復、燃え盛る業火。神への不信、神を詰り。寄り添い、眠り、抱擁し、そこで見る夢、優しい夢、美しい虹。傷つく神、人間と同じように傷つく神。歩み寄り、融合し、そしてこう結ぶ、「共に苦しみ、共に創りなおそう!」
神を全てを超越したものとは捉えず、自分と同じように傷つくもの、自分の似姿、そしてお互いを創り直しあおうというところに、この曲の肝があるんだと思う。もうBB、クラシックを聴き始めて1年半、映画を見るように、こんなに理解できたのは初めてで、劇的に終わるフィナーレは、もう本当に
感動したっ by純一郎
という感じ。演奏も、CDよりもだいぶ劇的にアレンジしてたと思います。ちなみに私の頭の中には飛び回りこちらをキッと見据える龍のイメージで終わりました。ごっつ和風ですが。

ちなみに今朝の「題名のない音楽会」は、「30分でわかるメリー・ウィドウ」ということだったのですっごく楽しみにしてました。その名のとおり30分に凝縮されてたけど、あの夏の日の感動が少し蘇ってきたかのようで面白かった。キャストは混合になってたし、みなさんテレビ向けなのでだいぶ化粧も薄かったけど、保存版です♪ そんでテレビでもやっぱり佐渡さんがソロをとって終わってましたよ。それが、女、オンナ~♪ んもー素敵☆
そろそろ「佐渡さんだから」という理由だけでチケットを取るのはやめよう、と思いつつも、今日も1月の定期演奏会のチケットを10時にスタンバッてゲット。やっぱり、佐渡さんのはどれもラインナップが面白くて省けないんですよね、困ったもんだ。
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by bigblue909 | 2008-09-14 13:33 | エンタメ

オペレッタ「メリー・ウィドウ」 in兵庫県立芸術文化センター

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さてさて行って来ました「メリー・ウィドウ」。
これはダブルキャストの公演で、ジョン・健・ヌッツォ氏(「新撰組!」の主題歌を歌った人)が出る方を取るつもりで、「ヌッツォ見るぞ!」と張り切ってたのですが、チケット先行発売日にネットの前でさっさと席を押さえて全てを済ませた後にはっと気がついた・・・いま違う方を取った!!
気付いた時は遅しだけど、改めてマジマジと見たらヌッツォが出る日は休みを取りにくい日ばかり、まあ良いか・・・と。ネットで感想を読んでると、やっぱりヌッツォ&主演の佐藤しのぶさんのおかげで、こちらの公演が人気みたい。

オペレッタとはミュージカルの原形ともなったもので、全編歌で通すことが多いオペラに比べ、セリフを話す部分があるので、歌劇が苦手という人はオペレッタの方がとっつきやすいかも。
しかも今回は「関西の要素を入れた完全関西バージョン」だそうで、その象徴が桂ざこばですわ。ザコヴィッチですわ。この人が出てきてなにかやる度にみんな笑う笑う。しかもヒロインのハンナと、相手役のダニロが突然関西弁を話し出すもの良いの。「私、次に結婚したら相手をこう呼ぶわ、私のダン・・・(ダニロのこと)」「ダン?」「(ごまかすために)旦那はん!!」
もっとも、この手の演出にはやっぱり賛否両論で、いろんな人の感想を読んだけど、あれはどうかという人もチラホラいらっしゃいました。私の隣の席の一人で来ていたおばあさんもやっぱり乗り遅れたらしく、私がいちいちツボに入って大爆笑してるので、チラ見されてしまって。まあ、「いち、にぃ、サーンブリオッシュ」とかやられたらキツい人もいるよな・・・。

衣装は一幕が映画「マイ・フェア・レディ」から抜け出たようなドレスをみんな着ていて本当に綺麗。BBは女の人ばかり見てた。中でもヒロインのハンナは黒い毛皮を群がる男たちにパッ! と引かれ、一瞬にしてゴージャスなピンクのラメドレスになって、この辺りの演出はもろあれよ、マドンナの「マテリアル・ガール」のプロモっぽい。わくわくですわ。鼻血ブーですわ。高木ブーではないですわ。
二幕の前半はトルコのようなアラビア風な感じで、この辺りはあんまり私好みではないんだけど、後半はマキシム・ド・パリでの一夜を模倣したもので、再び高木ブーですわ。いや間違えたな。その衣装で踊り子が出てきてカンカン踊られてみ。お尻ふられてみ。んもー楽しすぎです。

過去に見た「魔笛」「蝶々夫人」に続き、なぜか私が観に行く公演の組に必ずいる晴雅彦氏(ちょっと阿部サダヲっぽい)は、魔笛のパパゲーノでも一人で笑いをとってたけど、今回も怪しげなクネクネした動きに爆笑。両方の公演を観た人の感想で、「こっち(BBが観に行った組)の方がキャラが濃くて笑えた」と書いてたので嬉しかった。そうだ、笑いって良いよね。
そして今までソプラノ歌手の声量ってこんなもんかなと思ってたけど、今回のハンナ役の塩田美奈子さん、私が「このぐらいはでるもんじゃないか」と思っていたとおりの素晴らしい声量、ダニロ役の黒田博氏も本当に良い声で、今まで観た中では一番良いコンビだったと思う。

そして、通常のカーテンコールの後にさらにお楽しみが! 劇中の曲をいいとこどりでハイライトとして演奏&歌ったのです。これは宝塚のお家芸でグランド・フィナーレと言うらしい。バレエダンサーがバレエを踊り、スペインぽい男の人がスペインぽいダンスを披露し、再びカンカンですよ、しかもカンカンというと誰もが思いつくあの音楽(天国と地獄)まで演奏しちゃって、本格的なの! 主要人物たちが再びソロをとり、盛りだくさん&怒涛の展開に、もう本当に夢の世界のよう。
いつも「ブラボー!」は男声ばかりだけど、今回は女声での「ブラボー!」も多かった。私も一度言ってみたいんだけど、実は本気を出すとかなり声がデカいBB、これで度々恥ずかしい思いをしてるのでやる勇気がない(汗)
でもでもやっぱり誰よりも一番人気は佐渡さん。佐渡さんが「女・女・女のマーチ」を歌うという暴挙に出て(笑)、幕を閉じました。飛び出す絵本みたいな舞台装置も含めて、もう本当に一瞬の夢を見た気分。あ、今回はローズマリーの香りがしましたよ。

いつも他のオペラもビデオやなんかで観てみようかなと思いつつ、外人さんが濃い化粧でデカいヅラをつけて古めかしいドレスを着てる写真を見る度に萎えてしまう私は、例え邪道だったとしても、こういう新しい感覚のものに慣れてしまったんですよね。もう他のものは考えられません。ザコヴィッチが出ない「メリー・ウィドウ」なんてw
こんなに楽しいんだったら2公演ぶんチケットを取って見比べれば良かったな・・・と本気で思いつつ、来年の公演はなにかなと、嫌いな夏を乗り切る楽しみがひとつできました。
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by bigblue909 | 2008-07-05 16:23 | エンタメ
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ビッグブルーの本気な無駄話。


by bigblue909
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